■明治学院大学・横浜キャンパス(神奈川県横浜市戸塚区上倉田町)
明治学院大というと、レトロな洋館がひしめく都心一等地の白金キャンパスが思い浮かぶ。
しかしながら、1・2年生が通う横浜キャンパスも侮れない。
すごく乱暴だがスポーツチームに例えると、白金はスタープレイヤーを集めたものの、全体としてはぎくしゃくしている感じがするのに対し、横浜は個々の選手(=校舎)は地味だけど、チームとして機能している感じ。
特に後期モダニズム好きならきっと気に入ると思うし、僕は横浜推しだ。
設計は教育施設研究所。1985年。20万平米。
キャンパス訪問を続けていれば、嫌でもおなじみになる組織設計事務所だが、こういう言い方もなんだが、ここが手掛けた無数の案件の中でも、1,2を争う出来栄えではないだろうか。
さて、現場は横浜内陸部(戸塚)の山の中。学生は登校を「登山」と呼ぶそうだ。
ほとんどの学生は南門(=裏門)から出入りしているのだが、ここは素直に正門から入る。
登山、というのは少し言い過ぎで、ハイキング、くらいの気分で坂を上っていくと、ゲート的な管理棟。
そこを抜けると、モダンデザインのチャペル。
シンプルな幾何学的な立体を組みわせたチャペル。コンクリ打ち放し。
名のある建築家に違いない、と思ったのだが、教育施設研らしい。正直、信じられない。
さらに登山を続ける。惜しげにチャペルを振り返ると、これもまたいい眺め。
広場に到着。左手はサークル・スポーツ・厚生施設関係。
右手は校舎・図書館の学習ゾーン。
緩やかに蛇行しながら進む動線。もちろん緩く上る。
視線も緩やかに上下左右に振れる。
ほどほどの個性を持たせた白箱校舎が左右に並ぶ。
橋を渡ってさらに進む。
橋からの眺望はちょうどいいアクセント。
さらに進む。行き止まりは大教室の7号館。階段を上って入口へ。
というところでキャンパスは端から端まで歩いたことになる。
すぐ横が南門だ。
なお、「登山」というけれど、かつてはともかく、今はすっかり周りは住宅街として開発されている。それでもなお、緑が豊かではあるけれど。
交通メモ
明治学院大学・横浜キャンパス
住所: 神奈川県横浜市戸塚区上倉田町
東京駅から上野東京ラインで30分、戸塚駅下車。バスで10分。神奈川南部は、横浜市大、神奈川工大、横浜薬科大など、なかなかいいキャンパスの大学が目白押しだ。特に文教大湘南キャンパスは、なにはなくとも一見の価値あり。