■佐賀大学・本庄キャンパス(国立・佐賀市本庄町)
国立佐賀大学のメインキャンパス。
県庁・城址公園から徒歩10分少々、といったところだろうか。
街なかにあるだけあって、それほど広さはそこそこ。緑もそれなり、程度だ。
見どころは1926年に建てられた菊楠シュライバー館。
佐賀大の前身・旧制佐賀高校の外国人宿舎で、2005年にキャンパス内に移築して来たという。
シュライバー先生が特に長く住んでいたことから、シュライバー館と呼ばれているそうだ。
1階のみ、展示館として開放されている。
デザインとしては、うーん、まあ、古いものは有難いものだよ。文字通り、有ること自体が難しい、というわけで。
有田焼で有名な佐賀だからなのか、テラコッタの壁面飾りも印象的。
でも縄文チックな荒々しさで、佐賀が誇る吉野ケ里遺跡(弥生時代)とはいまいちミスマッチ?
佐賀大は、旧制佐賀高校と旧制佐賀師範学校が母体となり、あとから戦後発足の佐賀医大が合流してできた。
割と控えめな規模の大学だ。
隣の県の大学、つまり九州大・長崎大・熊本大がそれぞれかなりの規模を持つだけに、ちょっとあれだ。
幕末は薩長土肥、だったのに…。
でもまあ、早稲田大学も佐賀系列ということで良しとしよう、ということなのだろうか。
それはさておき旧制佐賀高校、1920年に民間の寄付金をもとに作られた学校なのだが、なぜか寄付の3割は県外の富豪から。
神戸の岡崎財閥の寄付だった。
岡崎財閥は神戸銀行(現・三井住友銀)や同和火災(ニッセイ同和)の前身となった中堅地方財閥。
創業者の岡崎藤吉が佐賀出身だったそうだ。
キャンパス内も含め、佐賀の街を歩いていると、意外な川の多さに気づかされる。クリーク的な。
ちょっと東へ行った柳川は水郷として知られる地域。佐賀もなかなかだ。
交通メモ
佐賀大学(本庄キャンパス)
住所: 佐賀市本庄町
駅から徒歩30分。バスならすぐ。おすすめは、大隈記念館(今井兼次設計)から佐賀城公園、次に市村記念体育館(坂倉準三設計)、県立博物館(内田祥哉設計)、最後に佐賀大、またはその逆コースが良いだろう。