■長崎大学・坂本キャンパス(国立・長崎市坂本)

医学部の単独キャンパスで、より正確に表現すると病院・歯学部エリアと医学部地区に分かれている。

 

まずは病院。なんというか、すごい坂。

 

 

斜面を切り開いて、無理やり病院と看護学科、歯学部を押し込んだという感じだ。

 

 

ここの医学部は、旧6医大と呼ばれる戦前からの名門校グループの一角だった。

 

 

具体的にどう偉いか言うと、医学部業界的には帝大医学部に次ぐ歴史と伝統を誇る第2集団だったということだ。

 

 

のではあるが、キャンパスに戦前の建物は(ほぼ)ない。すべて戦後モダンな建物だ。

 

理由は言うまでもない。

 

次に医学部エリアへ。

 

 

病院エリアより明らかに立地条件がいい。

 

 

つまり、平地だ。

 

 

長崎では、まとまった平地はとてつもなく貴重なのだ。

 

 

とはいえ、レトロ建築はない。

 

レトロ風建築はあるけれど。

 

 

あえて言えば、戦前の門柱は残っているし、キャンパスの片隅には戦前物件と思われる意匠の小さな建物も残っている。それぐらい。

 

 

源流をたどると、幕府が作った医学伝習所に行きつく。日本初の西洋式病院で、幕末の蘭学研究のメッカだったともいえる。

 

 

それを母体に長崎医学専門学校(大学相当)が誕生し、旧制長崎医科大に昇格。戦後は新制長崎大学の中核となった、というわけだ。

 

 

印象としては、そういった背景と歴史があるからなのだろうか、あまり「医学部」っぽくない。

 

 

医学部・医大は、ぎゅうぎゅうに病院設備が詰め込まれ、その片隅に授業設備もなくもない、という印象のものが多い。

 

が、講堂に図書館、レストハウスはデザインにも割と力が入っている。

 

 

庭もいい。

 

 

 

  交通メモ

 

長崎大学・坂本キャンパス(国立)

 

住所: 長崎市坂本町

 

JR長崎駅からバスか都電で20分ちょい。さらに少し歩いて到着。そばには浦上教会や原爆資料館もある。つまり、そういうエリアだ。バスや都電を降りずにそのまま北へもうちょっと進むと、文教キャンパスに到着。長崎大のメーンキャンパスだ。