■長崎総合科学大学(長崎市)
キャンパスは山の急斜面に位置するメーンの「グリーンヒルキャンパス」と閉鎖された長崎水族館を買い取ったサブ敷地「シーサイドキャンパス」の二つに分かれている。
まずはシーサイドから。
現在は大学と付属高校が使用しているが、その建物は菊竹清訓の師匠筋にあたる早稲田建築の武基雄教授による設計。
コルビュジエっぽい系統のデザインだ。
としか言いようがないなあ。
そんなに広い敷地ではないのですぐ見終わるだろう。
というか高校兼用の敷地なので、ささっと遠慮がちに撫でるように眺めるのみだ。
休日に行ったから誰もいなかったけど。
でまあ次はグリーンヒル。シーサイドから10分ぐらい坂を上ると到着だ。
キャンパス内に入ると、坂の斜度は急激に厳しさを増す。
ローリングストーンがふもとまでノンストップで転がり落ちるにあたってブレーキは用をなさないであろう、感じだ。
でも逆に言うと、眺めはいい。
眺望は抜群だ。
正直、建物自体は一部を除いてそれほど個性的というわけではないのだが、程よく品がいいし、その眺望は唯一無二だ(というと褒めすぎかも)。
ちなみに、こちらが「個性的」な校舎。
ぐんぐん上る。
そこには体育館。
さらに上ると船舶試験用水槽棟がある。
山のてっぺんに船を作るための水槽がある。とてもシュールだ。
長崎は造船の町で、例えば戦前には戦艦武蔵が作られたりもした。
最盛期には三菱重工長崎造船所に匹敵する生産能力を誇った地元大手「川南工業」が技術者養成のため、戦時中の1943年に川南高等造船学校を開設した。
1945年に長崎造船専門学校と改称し、1950年には長崎造船短期大学を開学し、1965年に長崎造船大学に昇格。
1971年に川南工業が破産したせいなのか、1978年には長崎総合科学大学へ改称してしまった。
川南工業はタロとジロの南極物語の舞台となった南極観測船「宗谷」を建造したという実績がある。なんと。急に親しみがわいてきた。
交通メモ
長崎総合科学大学
住所: 長崎県長崎市網場町
JR長崎駅からバスで30分、さらに徒歩で10分。長崎中心街から一山越えた場所で、なんというか、まったく別の海域に属しているような感じか。旧長崎水族館はおおむねこの大学に買い取られたが、一部はペンギン水族館として営業中。結構にぎわっていた。