■高崎経済大学(公立・群馬県高崎市上並榎町)

行ってみたら予想以上に良かった。

ネットでググって得られる情報(画像)だけでは何も見たことにはならない、ということを改めて痛感させられた。

画像検索でよく出てくる(唯一出てくる)のは1号館。
 

 

画面に映る姿は「よくありがちなポストモダン風の量産型公共施設」なのだが、現物は、どうしてこれがいい。

 

 

相当な量隗感がありつつ、直線とガラスのシャープなエッジのおかげで、鈍重な印象はない。

 

 

そんな大きなわけではないが、フランス風の前庭もその幾何学風味が絶妙な、追い味調味料となっている。

 

さて、この一号館、たぶん「新一号館」だろう。

 

他の校舎はぱっと見、1960-70年代に建てられたと思しきデザイン。

 

 

 

おそらく、1号館と図書館は老朽化のため立て直し、7号館はそこそこ最近の新築。

 

 

そしてサークル棟は超新築。という感じだ。

 

 

 

ま、全体的に、すごいキャッチーな個性派というわけではないが、じわじわと、ほどほどに来る、という感じだ。

 

 

さて、この大学は戦後早々に発足した、公立としてはそこそこ古顔の大学だ。

 

 

ご存じの人はご存じだろうけれど、群馬の県庁所在地は前橋。しかし、経済的に発展しているのは高崎。

 

 

二つの町の間には、深くて暗い溝がある。

 

 

で、戦後、学制改革で新制の国立群馬大が発足するにあたり、キャンパスは前橋に置かれることになった。

 

 

高崎市は我慢ならんということで、1957年、市立高崎経済大学を設置した。

 

 

北関東・信越地方では経済系の専門学部を持つ大学は少なかったし、「地域政策学科」「観光学科」といった専攻を、ブームになる前から早々と設置する「先見性」もあった。

 

 

そんなわけで、公立大の中でもなかなかの人気校となった。

 

 

最近はESG投資の専門家として知られる水口剛を学長に据えるという、またしても時流を先読み(?)したトップ人事を断行。

 

 

アカデミズムの人間というには実務家っぽいし、実務家というにはむしろ運動家?というアヴァンギャルドな学長のもと、SDGsの波に乗ってさらなる飛躍が図れるか、高崎経済大は注目を集めている。

 

 

 

  交通メモ

 

高崎経済大学(公立)

 

場所: 群馬県高崎市上並榎町

 

JR高崎駅からバスで20分。本数はあるのでご心配なく。問題は、高崎まで行く以上、他にも何か観光しないと交通費の元がとれないところ。高崎健康福祉大や群馬音楽センター(A・レーモンド設計)はなかなかだし、少林山達磨寺もいい。