■番外・旭市役所(千葉県)

 

なかなかユニークな庁舎だ。

 

 

横から見るとライチョウのように。

 

 

斜め前方から見ると松本城のように。

 

 

見えなくもない。ん、そんなこと感じるのは僕だけ?

 

設計は横河建築設計事務所。

 

 

三井財閥御用達の建築家で、三越百貨店日本橋本店などを手掛けた横川民輔に由来する組織設計事務所だ。

 

黒いキューブに白い庇が付き、上には多層構造のタワーがのっかる。

 

 

裏手は広大な芝生広場になっていて、こちらから見ると、また別の建物に見える。

 

つまり、タワーが後ろに退き、黒いキューブと化す。

 

 

タワー部分は市民展望台として一般開放されている。

 

 

見晴らし上々。

 

 

雲が少ない日は、筑波山や富士山も見えるそうだ。

 

 

そこから見える県東総文化会館も、なかなか面白い。設計は前川国男建築設計事務所。前川本人はかかわっていないけれど。

 

 

あと、このあたり、「イ」「ロ」「ハ」「ニ」といったカタカナの住所がついている。

 

どういうこと?

 

 

ちなみに、県立旭農業高校の住所は旭市ロ1(ろのいち)で、日本で最も短い住所だ。旭市は千葉県内でも1、2を争う農業生産地でもある。

 

 

さらにちなみにだが、旭市のネーミングは、「鎌倉殿の13人」でもおなじみ?の「旭将軍・木曽義仲公」に由来する。

 

 

義仲の子孫を名乗る、戦国時代の信濃の豪族・木曽義昌は武田家から織田方に寝返り(その結果、武田家が滅亡)、さらにいろいろあって徳川家の家臣になり、旭市のあたりに移封されてきた。

 

風見鶏、とか言ってはいけない。生き残りの知恵である。

 

 

で、なかなかいい政治をして、土地の人々にも大層慕われたとか。

 

というわけで、そのへんをしのんで「旭市」という名前にしたそうだ。

 

 

  交通メモ

 

旭市役所(千葉県)

 

場所: 千葉県旭市ニ

 

東京駅スタートだと、JR総武線快速千葉行きと総武本線銚子行きを乗り継いで、2時間半ぐらいで総武本線旭駅まで。さらに徒歩20分で到着。ここまで来たら、銚子の千葉科学大にも足を運んでおきたい。イオンタウンから銚子行バスも出ている。