■奥羽大学(私立・福島県郡山市)

 

設計者は不明だが、とにかく印象的。

 

快作と怪作を隔てる微妙な尾根筋に位置する、といえよう。

 

簡単に言うと、ミントグリーンでグリッドが強調されたCGみたいな、遅れてきた表現主義、みたいな感じ。

 

そのキャンパスはJR郡山駅のとなり、郡山富田駅から徒歩10分。新興住宅街と幹線道路に挟まれた立地だ。

 

道路沿いにはなかなか悪くない白亜のモダンズム病院。輝いている。

 

 

その内側のキャンパスは、斜面に展開するので見晴らしも歩きがいも十分。

 

 

門から入ってまず到着するのが、立派な記念講堂。

 

 

ここまでは普通に立派で、よくありがちな私大キャンパスなのだが、そのあとがただ事ではない。

 

 

片端からミントグリーン。しかも、のぺっとした壁面ではなく、グリッドで分割されている。

 

 

 

縦横に直方体的な分割だけではない。

 

斜めにも斜交している。

 

 

一昔前の3DCGの描線のようだ。

 

さらには曲線も参戦だ。 第3講義棟は屋根がアーチ。アーチなのにグリッドで分割されている。レゴみたいだ。

 

 

その隣の中央棟。

 

 

もうなんというか、表現派風のつくしみたいな尖頭アーチの窓に、ダブルの塔がまえ。

 

横面はキュビズム建築みたいに幾何学的に凸凹している。

 

 

そのくせ、「中央棟」の文字は純日本風だ。いや、中華風か?

 

そんな素敵なキャンパスにくらくらしながら奥を目指すと、一番高いところには立派な銅像。振り返ってキャンパスを見下ろす。

 

薬草園も立派だ。

 

 

奥羽大は1972年、地元の東北歯科専門学校が発展する形で東北歯科大学として開学した。

 

1989年に文学部を設置し、奥羽大に名称変更。しかしながら2004年に文学部の募集を停止し、翌年に薬学部を開設。現在の形となった。

 

といった程度しか、沿革は不明だ。

 

それにしても、校舎の設計はだれなのか、気になる。一見の価値あり。

 

最後に、まったく関係のない、近所の信金。

 

 

福島というか郡山の人は、こういうのが好きなのか?