■番外・瑞穂町役場(東京都)
東京・多摩地方にある、人口3万人ちょっとの自治体だ。
東京にそんな町があったっけ・・・と思うかもしれない。僕はそう思った。
福生の北、狭山(埼玉)の西、入間(埼玉)の南、といえば何となくイメージがわくだろうか。
町の南部が米軍横田基地になっている。
そんな町だ。
中央線立川駅から青梅線に乗り入れ、拝島駅で乗り換え。
ローカル線好き御用達の八高線で箱根ヶ崎駅で降りる。
意外に都会的。いや、都会ではないのだが、住宅が広がっているし、そこそこ新しめの家やアパートが目立つ。
八王子や立川のベットタウンにもなっているのだろうか。
江戸時代は日光脇往還と青梅街道が交差する宿場町として栄えたそうで、確かに立派な寺もあった。
そんな町並みを徒歩10分ほど。見えてきたのが2020年完成の町役場だ。安井建築設計事務所。
戦前に日本橋野村証券本社ビルや大阪ガスビルヂングを設計した安井武雄をルーツとする事務所だ。
なかなか印象的な外観で、入り口広場をL字型に庁舎が囲む。
スキーのジャンプ台というか、というような形での屋根が垂れ下がっていくような作り。
壁面を飾る縦置きの日よけには太陽電池が貼り付けられている。
日よけと発電の一挙両得なのではあるが、午後1時過ぎぐらいまでは日が差さないであろう、残念な敷地の向きだ。
役場の北側は小高い丘がちょっとした池を巡る公園と市民運動場、文化会館になっている。
文化会館の時計塔は展望台にもなっている。
山梨側から見る富士山は荒々しいし、静岡から見ると宝永山がちょっと気になる、と言う人は、ここや神奈川県二宮町あたりからの富士山がおすすめだ。