■青森県立保健大学(公立・青森市浜館)

 

とにかく、「私を見て!そして感動して!」と全身全霊で訴えかけてくる、超ナルシストキャンパスだ。

 

パッと見て、ははーん、これは佐藤総合計画とか石本建築事務所とか、流行に敏感でおしゃれな組織設計事務所の最近の設計だな!いや、しかしそれにしては、なんだかバブルっぽい(ポストモダンくさい)ところもあるなあ。などと、色々考えた。

 

というわけでグーグル先生に聞いたら、黒川紀章だった。

 

マジで?

 

場所はJR青森駅から第3セクターの青い森鉄道に乗って20分、小柳駅で降りて、徒歩15分。

 

 

 

都市部水準ならゆったりとした、しかし地方の大学としてはそれなりにコンパクトな芝生のグラウンドの向こうに、ポストトモダンな(へんちくりんな?)建物が3棟見えてくる。

 

ポストモダンというか、無慈悲な夜空の女王ことお月様をあがめる新興宗教の神殿と信者宿泊施設か、ここは、と思ったのだが、未来と伝統との共生をテーマに、「宇宙船、ねぶた祭り、縄文」をイメージソースとしたらしい。

 

 

 

なるほど。

 

ただ建物を並べただけでなく、オブジェを配して散歩人を講堂裏手の築山へ誘導し、「そこから眺めて感動しろ」と命令する。

 

 

 

本部棟横には目立つように2フロア分の大型空中連絡通路を配し、その向こう、下側にかっこいいオブジェ。

 

 

広島平和記念資料館かっつーの。

 

よく見ると、新国立美術館みたいな学生食堂の回りにも築山を盛り上げ、「はいここ、重要ですよ。ここからよく見てくださいね」と、強調してくる。

 

 

奥の中庭もなんだかモニュメントが突っ立って、インパクトは十分。言われてみると縄文っぽい。

 

 

とにかくキャンパスが、「ここからこういう風に見てくださいね」「建物もほら」「広場も、はい」「オブジェは望遠レンズで撮ると良いですよ」と、至れり尽くせりだ。

 

とにかく、「私を見て」と前身で訴えかけてくる、

 

そんな中、教育研究C棟回りだけが、異質だ。ここは旧看護学校の校舎を改修したらしく、黒川設計ではないようだ。