■山梨大学・甲府キャンパス(山梨県甲府市武田)
甲府駅から北へ徒歩20分少々。武田24将の1人、鬼美濃こと馬場美濃守信房の屋敷跡に位置するのが山梨大学だ。
こちらは医学部以外の学部が入っている。
公道で二分された敷地の東側が、山梨高等工業学校に由来する工学部。西側が山梨師範・山梨青年師範を前身とする教育学部や、両学部を改組して作った生命環境学部だ。
まずは東から。門を入ると、妙に仰々しくスペースを取った四阿、つまり休憩所がある。
よく見ると、なかなかアール・デコな、凝ったデザインだ。
内側に貼り付けられた解説板によると、1925年開学の山梨高等工業の講堂入り口のポーチだったという。
講堂は取り壊されたが、入り口だけ保存されたと言うことだ。
うーん、入り口でもこの作り。本体の方を見てみたかったなあ。
まあ他には、色々と。池とか色づいた木々とか。
ワッフルな天井とか。
昭和が漂う、古めの校舎も。
緑の葉とブドウの実の色のカラーリング?
これまた開学当初からあったような風情の倉庫も残っている。
次にキャンパス西側。
パンフレットに出てくる、綺麗な図書館と生協のエリアだ。
北側に進むと、梨大OBでノーベル賞受賞者の、大村智記念学術館がある。
非常に特徴的なポストモダンというかパビリオン的というか、何とも言いがたいデザインだが、こちら山梨大の前身と位置づけられている江戸時代の学問所「徽典館」をかたどった物だそうだ。
その裏手に「水晶庫」が隠されている。
甲府と言えば水晶細工が有名なんだけど、地元の富豪が所蔵する貴重な水晶コレクションを大学に寄附。それを保管するため、1927年に鉄筋コンクリート造で作られた建物だ。
すごいA級建築と言うつもりはないけれど、なかなかユニークなデザインだし、なにより「甲府」ならではの建物だと思うのだが、明らかに冷や飯を食わされている。
行ってみればわかるが、写真を撮らせる気すらない。隠されている。
「解体するわけにも行かないし、困ったなあ、これ」的な扱いで、少し寂しい。
あとはまあいろいろ。キャンパス内と言うには無理がある距離だが、旧陸軍のレンガ倉庫もある。
他には…ここの階段の作りとカラーリングはちょっと面白かった。ぶどうの色?
サークル活動も活発なようで、何よりだ。