■番外・富里市役所(千葉県)

 

新緑や野の花の彩度がいや増す季節、折りたたみ自転車と共に千葉に出かけた。

 

徒歩では絶望的なくらいに駅から離れた富里市役所・多古町役場を含む4市町の庁舎を観光しようと思い立った。

 

冬は寒いし、夏は暑い。今しかない。

 

さて、まずは総武本線酒々井駅からスタート。ママチャリよりちょっと早い程度のスピードで酒々井町役場に向かい、その後、富里市役所へ。

 

市役所の周囲は運動公園や図書館、公民館などが集う、市民の憩いエリアとなっている。

 

国道296号を東へ進むと、まず見えてくるのがお洒落な図書館。

 

 

左折して北上すると、到着だ。

 

富里はスイカの名産地だそうで、役所の前に、どでかいモニュメント。

 

 

庁舎自体は、ピロティで持ち上げられた二階中央部が突出。

 

一階低層部は突出部を左右から援護する陣形のごとく、三日月状に展開している様相だ。

 

 

中央部の柱は石張り。

 

中央部の突出だけ見ると、ちょっと異様だが、全体で見ると両翼がバランス良く受け止めていて、これがなかなか悪くない。

 

両翼突端が上方に向けて上昇しているのも、バランス的に乙。

 

 

両翼に受け止められる形で、両脇になかなかの大きさの木がそびえていて、これまた乙。

 

 

という、なかなかな庁舎を裏側から見ると、改修中で写真でしか見られなかった酒々井町役場、っぽい感じ。

 

 

そこを見てから、隣の中央公民館に。

 

 

 

 

これまた、酒々井中央公民館っぽい。

 

そう、ここも千町村建築研なのだ。

 

ヨーロッパ風ではあるが、欧州の歴史にこんなスタイルはない!的。

 

しかし何というか不思議な感じで、千町村建築研、すごいA級ではないのだが、B級でもない。

 

たとえば御宿町役場(マイケル・グレイブス)と比べると、明らかに格下なのは否定し得ないが、まるでダメダメというわけではなく、それなりにそれっぽさが醸し出されていて、何とも、憎めないのである。

 

まあ、そんなこんなで一通り。さらに隣の市民体育館は、なんと切り妻屋根付き。ちょっと和風。

 

 

意外に芸達者である。

 

設計の千町村建築研究所は、創業者が千町村さんだったわけではない。

 

千葉県町村会の外郭団体みたいな感じで作られた設計事務所だから、だそうだ。

 

当然ながら、やたらとたくさんの公共建築物を、県内の町村から受注している。

 

町村会というのは、県内の町と村が参加する業界?団体みたいな物だ。

 

次は多古町役場に向かう。成田空港へ向かうのと同じ向きに自転車を飛ばす。

 

通りかかった交差点は「南三里塚」。闘争華やかりし頃は、いかがな具合だったのか。

 

ところでこの日、酒々井から富里・多古を経て匝瑳市役所まで回って、JR八日市場駅まで出て、全部で40キロあるかなしかぐらいの距離だったと思う。

 

東京駅7時20分発で酒々井に10時手前の到着。サイクリング+観光活動が全部で4時間。13時半に帰りの電車に乗って、17時前に自宅到着。

 

日焼け止めクリームは出発時にたっぷり塗ったけど、途中で塗り直すのを怠ったため、ちょっと肌が赤くなってしまった一日でした。