■番外・山口市役所(山口県山口市)

 

 

今の今まで知らなかった。フランシスコ・ザビエルではなく、サビエルと発音するそうだ。

 

JR山口駅前の道路標識でそのことを知ったのが、この街を訪れた最大の収穫だ。

 

まあとにかく、駅から北へ20分ぐらい歩くと市役所だ。山を背にした横長の作り。

 

 

 

もともとは山口大学教育学部の校舎だった。

 

1960年代頃の完成で、いかにもそんな時代感の漂うモダン建築だ。

 

 

 

そして老朽化のため、まもなく立て替えられる。

 

後任は石本建築事務所。佐藤総合とコンペで激突し、勝ち取った。

 

同じ山口県内でも、宇部市の新庁舎コンペでは佐藤が石本を破っているので、宇部のカタキを山口で取った、と言うところか。

 

とまあ、そんなことはどうでも良くて、庁舎自体は、何ともまあ実直で、下卑たところのない建物だ。

 

背中に山を背負っているのも良い。

 

しかし気になるのは、山からにょっきり生えているタワー。一体、何事か?

 

気になるので山に向かう。

 

まずは役所に隣接する県立美術館。

 

 

 

さらに山へ近づく。市役所北側、謎の四阿。

 

 

そのさらに北側には県立山口博物館がある。

 

 

有名なのは本館。1967年の坂倉準三設計のものなのだが、僕の好みはむしろ別館。

 

 

こちらは正体不明で、坂倉なのかもしれないけれど、個人的な勝手な印象論で言うと、戦前の堀口捨己っぽいモダニズムデザインだ。

 

とまあ、そんなところを横目にしながら、市役所の裏山に分け入る。

 

 

斜面には、なぜかカモ。

 

 

木々を見ながら登る。頂上は広場。抜けて先に進む。見えてきました、柱が二本。

 

 

なんと、教会でした。

 

道路標識にも記載されていた、山口サビエル記念聖堂。

 

中国・北九州地方を縄張りとした大大名・大内義隆に教えを説こうと、サビエル師がやってきてから400周年。そこを記念して、1951年に建立された。

 

いったんは火事で焼けたが、1998年に再建。

 

そばの幼稚園には、もちろん、ありがたいモザイクが!