■弘前大学・文京町キャンパス(国立・青森県弘前市文京町)
旧制弘前高校時代の木造洋館で、1925年落成の外国人宿舎が、敷地の一角に移転保存されている。
現在はカフェとして、一般開放されている。
1階は板張りで、2階はモルタル塗り。デザインは左右非対称。この時代にしては前衛的だなあ、というか、ちょっと変?と思ったら、元々は隣にもう一棟あって、2軒合わせて左右対象だったらしい。
裏から見ると、こう。
というカフェで一休みしてから、本格的にキャンパスに入る。
まず目に入るのは本部棟。
そんな大きな建物ではないが、ヨコにつけられた時計が印象的だ。
その他はというと、すごく個性的な建物が次々登場、と言うわけではない。
生協前のステージを経て、ゆるゆる進む。
とは言いつつ、農学部棟のアーチな文字列は、ある意味、個性的。
裏手に農学部の付属農園があるのは国立大学のお約束なのだが、さすが青森。
リンゴがたくさん植えてあった。
体育館とグラウンド。
木造といえば、校舎ではないが、これまた年季の入った小屋?もあった。
職員組合だ。
アクセス的に言うと、弘前学院大とセットで見に行くのが良いだろう。
この大学のように、県名を冠しない国立大学は少数派だ。
そのわけは、青森県は江戸時代、弘前市が首都的な存在で、青森市は東京に対する横浜的な存在だった、ということに由来する。
首都的な存在だったため、弘前大の母体となった旧制高校は弘前に作られた。
医学部の母体となった旧制医専は、最初は青森市に作られたが、戦時中、石炭の供給源だった北海道と本州をつなぐ物流拠点だった青森市(青森港)が大規模空襲を受けたため、弘前に移転してきた。
というわけで、弘前に国立大学が置かれることになった。
青森市は空襲の結果、街並みも建物も、現代的だ。
昔ながらのよすがを残す弘前市と、歩き比べてみるのも面白い。