■番外・山形市役所(山形県)
レトロ建築の宝庫と言われる山形だが、山形市役所はあまり派手さのない、シンプルな建物だ。
そもそも、レトロ建築ではないし。
というわけで、市役所から出発して少々、街中をお散歩する。
まずは南東方向へ徒歩10分。旧山形市立第一小学校。
1926年竣工の、大正モダニズム感あふれる鉄筋コンクリート造。
現在も「山形まなび館」として、ギャラリーや産業資料館、生涯学習室として活用されている。
設計は地元出身の秦鷲雄と伊藤高蔵。
秦は、戦前の建築学界のドン・佐野利器の親戚で、この校舎の設計でも、佐野から様々なアドバイスを受けたそうだ。
そばの教会などを経て、お城へ向かう。
城門をくぐり、中に入る。
トンでもない塔屋が見えてくる。
かくも名高き擬洋風建築、国指定重要文化財の旧・済生館病院である。
あまりに有名なので説明は省略。
とにかく、色も形もトンでもない。
建築大好き県令(県知事)の三島通庸(県民のつけたあだ名が「土木県令」というぐらい)の肝いりで作られた。
三島氏が自分で設計したのではないか、という説さえあるらしいが、力が入っていることは事実だ。
なんと、済生館という名前を付けたのは時の太政大臣(=総理大臣)・三条実美。
三島氏が相当強くプッシュしたとしか思えない。
各部屋は展示資料室になっていて、なかなか見応えがある。
そんなこんなで2、3時間ぐらいの散歩になるはずだ。
山形は旧県庁に山形大旧校舎をはじめ、見るべき建物はてんこ盛りだ。
山形市だけでなく、米沢や北山形にもたくさんあるし、鶴岡・酒田へも足を運びたい。
見どころ満載の県だ。