■番外・宮代町役場(埼玉県)
■象設計集団の「コミュニティーセンター進修館」は関東有数の超ド級名所。
宮代町、といわれてもよくわからないと思うが、東武動物公園なら知ってる人も多いのではないか。
東武伊勢崎線の東武動物公園駅から、徒歩10分もかからないあたりに、町役場がある。
そして、そのとなりにあるのがコミュニティーセンター、つまり公民館「進修館」だ。
根強いファン?を誇る象設計集団の作。
中央の広場を囲む、高さを抑えた柱の連なり。絡みつく植物が印象的な建物だ。
かの有名な沖縄・名護市役所を彷彿とさせる作りだが、名護市役所より1年早い1980年の竣工となる。
現在は、にんじん色と葡萄色(巨峰が町の特産品)に塗り分けられているが、元々はコンクリ打ちっ放しだったという。
築20年を機に痛んだ壁面の補修工事をすることになったが、「打ちっ放し」を再現するのは極めて難易度が高い。
よほど予算を掛けないと、「グレーのペンキを塗った風」になってしまうと業者に言われ、それじゃあと開き直って、ずばりペンキで塗り分けることにしたそうだ。
まあ、建物や広場、こんな感じ。
水吐きも、ただ事ではない。
とにかく広々とした芝生広場が印象的で、こんな住宅街のど真ん中に、よく、この面積を確保できたなあ、と驚かざるを得ない。
が、過去の写真を見ると、本当に何もない田畑の中に作られ、その後、周囲が住宅街になった、という順序のようだ。
名護市役所の敷地は完全な平地だが、進修館は立体的だ。
駅方面から入ると、中央広場(芝生広場)に向けて緩い登りとなる。
しかしその先の広場自体はすり鉢状で、建物はコロッセウムのように周囲を囲み、段を上げていく。
名護市役所に負けず劣らず。
評価されるべき建物だと思う。
なお、実は中央広場、後付けで「住民のアイデア」を集めて作られたという。
それ以前はどうだったのかよくわからないが、広場と建物はパーフェクトにマッチしていて、一体設計されたとしか思えない出来映えだ。
驚き。
建物の内側は、というと。
その他周辺部。
ついでながら、北へしばらく歩くと、日本工業大のキャンパスにでくわす。
こちらもウルトラ個性的な校舎が次々と。