■番外・弘前市役所(青森県)
言わずと知れたモダニズム建築の大御所、前川国男設計の市役所。
これに限らず、弘前市内には前川作の建物がたくさん残っていて、「建築の街」的な売り出し方をされている。
しかしながら実のところ、弘前市内はレトロフィットな建物が中心で、新しい意欲作は青森の方が多い。
元々、弘前は江戸時代の県庁所在地みたいな物で、青森はその外港だった。
つまり、弘前が千代田区なら、青森は横浜市、という関係だ。
さらに青森は大規模空襲に遭ったため、古い建物が残っていない。
ま、そんなことはどうでも良いですね。
国内処女作の木村産業研究所で、四角い豆腐スタイルのモダニズム建築にチャレンジするも、北国の厳しい雪害で壁の痛みが激しかったため、風雨に強いレンガ風タイル張りに転じた前川。
その成果がこれである。
東には旧図書館や旧東奥義塾などの有名建築物が移築されてきて、さながら洋館のテーマパーク的な具合の市民公園に整備されている。
そんでまあ、ぐるぐる色々と、市庁舎を眺める。
西隣には、スタバと化した旧第8師団長官舎。「陸軍の妖怪」とよばれた真崎甚三郎がここで暮らしていたのかと思うと、感無量?である。