■茨城キリスト教大学(私立・茨城県日立市大みか町)
六本木ノアビルなどの設計者として知られる日本建築界の惑星にして孤高の建築家、白井晟一による礼拝堂などがある。
ちなみに学術界での「惑星」という表現は、「インパクトがあって無視できないけど、主流じゃないよね〜」という人を指して使われることが多い。
まあ実は、白井物件があることは後から知ったのだが、日立市に出かける途中に通り過ぎるJR大甕駅前に、やたらとオシャレな建物があるなあ、ということは気にはなっていた。
というわけで、立ち寄ってみた。
プロテスタント保守派のチャーチ・オブ・クライストをルーツとする学校で、1949年に夜学校や幼稚園を設立。67年に大学を開校した。
駅前入り口から入ってすぐ見える、駅からも目立つおしゃれ建築が11号館。
右手側の手前が、体育その1と総務系施設に駐車場ゾーン。右手奥が高校ゾーン。そして左側が大学エリアとなる。
まずは右手側。体育館その1。
木造洋館を大型化したような総務系の3号館。
と、まずは右手ゾーンを足早に見ておいてから、次いで大学エリアをゆっくり散策する。
まずは奥の方に学園記念館。
木造の由緒ありげな建物だが、実は2008年竣工。旧高校1号館を2分の1サイズで復元したそうだ。
このキャンパス、元々はゴルフ場だったと言うことで、今でも芝生と木々が豊かで起伏に富んでいる。
というわけで、小道をぶらぶら。
グラウンド越しに眺める11号館。隣は図書館。すごくゴルフ場っぽい。
てくてく進むと、いろいろとモダニズムというか、デ・ステイル?風な校舎群。
ぐるっと回って到着するのが大学南体育館と、モアヘッド記念館。
手前の木造平屋建てが、モアヘッド記念館。
1929年に常陸太田に建てられたモアヘッド牧師の伝道拠点を、55年にキャンパスへ移築した。
玄関がなんだか、人の顔みたいだ。
広くてお庭もいっぱいあるキャンパス。
さらに進んでシオン館。
訪問当時、このキャンパスに白井晟一の建物があるとは知らなかったのだが、シオン館を見て、「なんかこれ、雰囲気が何というか、六本木ノアビルの微妙な出来栄えのパクリ的な?」と感じた。
ふと気になったので、家に帰ってから「茨城キリスト教大 白井」でググってみたのだが、シオン館ではなく、そのそばにあるキアラ館(礼拝堂)が白井物件との検索結果が表示された。
「そんな建物あったっけ?」と、慌てて写真ファイルを見直してみて、一応、微妙な写真を撮っていたことは確認された。
正直、その程度の印象でした。
あと、さらにそばにある5号館も白井物件らしい。
これはあんまり、白井っぽさはあるようなないような、という気はするが、それはそうとして、なんだか気にはなっていた。
しかし、こんな白い建物が白井物件だとは…。
いやでも、白井デザインって、曰く言い難い、なんというか、そう、ツィアマト社製MSみたいなデザイン感覚があるんだよな。
それに照らし合わせてみると、うん、白井デザインだな、こりゃ。
最後に図書館。
「よくわかんないけど、なんか気鋭の建築家が手がけったぽい感じの気合の入った建物だなあ」と、感じましたよ。
まあとにかく、キャンパス全体としてはベリーベストお散歩サイト。
やっぱり、ゴルフ場跡地、ってところが効いたか。
歩き回って景色を楽しみ、ほどよく運動したなあと思いながら、駅に向かう。