■番外・日立市役所(茨城県日立市)
地元出身の世界的建築家、妹島和世による設計。2019年3月落成。
山を背にした、いかにもなオフィスビルから円形屋根が突き出て、そのまま海側へ向かっていく、という作りだ。
ビルから遠ざかるにつれて、円形屋根のR(半径)は大きくなっていく。
屋根は鉄骨造の金属屋根。屋根の下は市民広場。
陰影が印象的だ。
この屋根、地元を支配する大企業・日立製作所の主力製品「大型タービン」の羽根をイメージしたそうだ。
ん?火発タービンはノンSDGs産業だって?まあ、そうかもしれない。日立の運命や如何に。
それはそうとして、ぶっちゃけ、妹島っぽくない。そう思うでしょ?
やたらめったらガラス張りにするのが妹島流。なのに、普通のコンクリビルだ。普通でない曲線の屋根だけが妹島っぽい。
実は設計段階では、庁舎本体もガラス張りだった。
しかしながら工費削減(抑制)のため、特注ガラスをコンクリ+鉄板+既製品のガラスに置き換えて、こうなったらしい。
東京からだと結構遠いロケーションだが、茨城大日立キャンパスや、市内に点在する妹島物件など、見どころは意外に多い。
水戸観光と組み合わせるのもありだ。