■早稲田大学・西早稲田キャンパス(私立・新宿区大久保)
昔は大久保キャンパスと呼ばれていた、理工学部のキャンパスだ。
おそらく、日本で一番、輝いているキャンパスと言って間違いないだろう。
精神的な意味ではない。物理的に輝いている。
コンクリートの保護のため、建物はすべて銀色に塗装されているのだ。
早稲田の歴史は長いが、大久保自体は大学創立80周年記念事業の目玉として、1967年に作られた新興エリアだ。
元々は陸軍射撃場だったが、戦後は米軍に接収された。その後に民間払い下げの話が出たので、早稲田が手を尽くして獲得した。
建物のだいたいは、早大建築の安藤勝男教授が設計した。
とにかくシルバーに輝いているし、全体的に、60年代の人間がそう思ったであろう「近未来的」な建物感があふれている。と思う。
いやまあ、最初は打ちっぱなしコンクリートだったそうなんだけれども。
それはさておき、キャンパスのシンボルが高層51号館。
無数の筋交い補強が入ったこのデザイン、てっきり、後付けの耐震補強かと思ったのだが、最初っから入っていたそうだ。
OH!
安藤教授、学生に厳格な先生だったという説もある。その人柄が反映されているのだろうか?
まあ、ある意味、某ブランドのモノグラム風ではある。
横から見てもすごいインパクト。
裏から(逆光側)から見ても、これまたインパクト。
理工学部の縄張りということもあり、校舎と校舎の狭間は配管やらなにやらで埋められている。
これがまた、独特な未来感を醸し出している。
通廊も、なんか工場チック。
とまあ、未来未来と連呼したけど、中庭でのんびり周囲を見回せば、普通にくつろぎ気分になれる?全くもっての大学キャンパスだ。
面積は4万5000平米。体感では7、8万平米はあったような気がするが、不思議なものだ。
隣の戸山公園が借景となって、広く感じられたのだろうか。
学生数は院も込みで1万2000人ぐらい。かな。
どうでも良いけど、戸山公園がとなりにあるので、西早稲田キャンパスのことを戸山キャンパスのことと思い込んでいた。
しつこいようだが、ちなみにまたしても51号館、水平が取れていないという噂がある。上の階では、床の上に置いておいたビー玉が、ひとりでにコロコロと…。
というのはもちろんデマで、関係者によると、当時としては最新のレーザー測距で水平垂直を出しながら、各階を作っていったそうだ。
そういえば、東京タワーを設計した早稲田の構造設計の泰斗・内藤多仲教授は、「あの塔、ちょっとどうなのよ」と難癖をつけられた際、こう答えたという。
「塔が塔に似るは人が人に似ると同じであり、また、曲がること自体、朝は西に、夕は東に、太陽熱の作用でこれは物理的自然である。綿密に測定したところ、何ら異常はない」
大体、本当に傾いているのは某T大Hキャンパスの某震災校舎のほうなのだが・・・。
それはともかく、西早稲田キャンパスの向かいには、素晴らしい壁面がある。