■群馬大学・桐生キャンパス(国立・群馬県桐生市)

 

一番の見どころは、正門すぐの同窓記念会館だ。1916年竣工の2階建て木造大型洋館。

 

 

 

最近も改修したばかりで、保存状態は上々だ。

 

さてこのキャンパスは、群大理工学部の単独使用。駅からタクシーで十数分、と言ったところか。

 

 

桐生~太田のあたりは昔からの養蚕地帯で、その結果、紡織機械の製造業も発達。

 

北関東屈指の工業地帯となった。富士重の工場があるのもその流れ。

 

 

日本の木造洋館は、だいたいにおいて米国風かルネッサンス風か、って感じなんだけど、ここはなぜかゴチックデザインが入っている。

 

中世ヨーロッパ教会建築、ってやつだ。

 

よく見ると、入口正面部の両脇に、縦に細長い三角形が取り付けてある。ゴチック特有の控え壁(バットレス)を、木造で表現したものだろう。

 

 

控え壁はもともと、建物を外から支える補強材。中世の教会はかなり無理な高層建築にしているので、外側からつっかえ棒的な壁をつけることで、構造を安定させている。

 

それがいつしか、装飾デザインとなってしまった。というわけだ。

 

 

それはさておき、紡績から機械工業が発達し、自動車産業というのは、愛知県と一緒だ。

 

でまあ、桐生には旧制桐生高等染織学校(後に桐生工専に改称・新制大学相当)が開かれ、今に至る。

 

キャンパス面積は10万平米。学生数は学部だけで2300人ぐらい。

 

ほどほどの広さにほどほどの広さ。ほどほどにユニークな校舎もあったりする。

 

 

 

 

一通り見たら、帰りは駅まで歩いてみる。

 

 

 

 

桐生に限らず、北関東に点在するかつて栄えた街並みは、当時の栄華を感じさせる建物が普通に残っている。