■こども教育宝仙大学(私立・東京都中野区)
夢のある名前に惹かれて訪問した。
名前から考えると、日本近代建築界のドンだった帝大教授・佐野利器(子供好き)の設計かもしれない(なわけない)。
インパクトやギャップを楽しむため、なるべく事前情報を見ないようにしてキャンパスを訪問しているのだが、今回も想定外だった。
つまりはお寺(の付属幼稚園みたいな感じ)だった。
地下鉄の中野坂上から徒歩5分。
大学自体は小さい。
本体は宝仙寺で、売り出し中の付属中学・高校が隣にデーンと構え、さらに大学もついている、と言ったところだ。
付属高校の方は進学実績が張り出されていたが、なかなかどうして、侮れないレベルのようだ。
まあそんで、本体のお寺へ向かう。
境内に入ると、確かになかなか立派だが、細部はシンプルな仕上げ。築年数はあんまり、な感じのお寺だ。
だが、境内の掲示を見ると、いやいやどうして、由緒あるお寺だそうだ。
平安後期、11世紀に源義家が建立。江戸時代に将軍に献上されて、江戸の町民の度肝を抜いた「象さん」のお墓もあるぐらい。
かつては境内に中野区役所が立っていたぐらいに、街の中心地。
建物が新しいのは、戦災でみんな焼けちゃったからだ。
なるほどねえ。
3重の塔も、雲肘木もついてないシンプルなつくりだけど、まあ再現ものなら仕方ない。
と思ったが、これはこれで奈良・法隆寺由来の飛鳥様式を再現したからこうなったんだ、予算削減ではない、と立て札があった。
すんません。
珍しいものでは、使用後の石臼を供養する臼塚、なんてものもある。
お寺のチョイそばの公園には、「山政醤油醸造所(浅田醤油)レンガ塀」なるものが保存されている。
地元の醤油醸造所で、明治32年(1899年)に作られたもの。大変レアで貴重、マニア垂涎のフランス積みだ。
最後におまけで、中野坂上とは何の関係もないが、新宿区下落合3の目白聖公会。