■東北大学・片平キャンパス後編(国立・仙台市青葉区)

 

(前編からの続き)

 

さて、大学本部棟へ。

 

 

1927年から35年にかけて作られた。こちらも内側が現代的に改修されている。

 

まずは斜め前から見る。尖った角ではなく曲面で処理されているところが昭和モダン。

 

 

それから、入口に回る。

 

おやまあ!

 

 

木の束を周りにくくりつけた斧を掲げたくなるようなデザイン。入り口両脇に上から旗を垂らしたら、さぞかし似合うであろう。

 

念のためですが、褒めているんですよ?

 

僕は第一生命本社とか、大好きですからね。

 

しかも単一色の第一生命と違い、茶色と白の二色構成。

 

上の方、柱と柱の間の装飾部はキューブに分割。窓も3×3のサッシで大きい。

 

すごくポストモダン的でもある、と褒めちぎるのは言い過ぎだろうか。

 

その向かい側、というか、後ろを振り向くと、東北大資料館。

 

 

元々は図書館で、旧制東北帝大の母体の一つとなった旧制仙台高等工業高校教授・小倉強の設計による。1926年。

 

さらにその先には、会計大学院研究棟。1927年。

 

 

シンプルな壁面に切妻と、意外に手のこんだ壁面装飾が印象的な建物。帝大時代は法文学部校舎だった。

 

と、いったエリアから左手に転じると、ここにも芝生の中庭。先に進むと濃茶色のタイルが輝く流体科学研究所。

 

 

 

そして、これまた昭和レトロな多元物質科学研究所南1号館とその事務棟が並ぶ。1930年。旧帝大電気通信研究所だった建物だ。

 

 

 

 

 

さらに公道を渡って、南エリアに。

 

ざっくりしすぎたモダニズム?の電気通信研究所1号館が見えてくる。

 

これがもう、おおざっぱすぎるモダニズム?

 

 

なんかこう、「えーと、流行のバウハウスってこんな感じですか?」と、適当に白壁に塗って窓を開けたような。その適当さがたまらない。

 

でも結構傷んでいる。

 

さらに進むと、21世紀情報通信開発研究センターが見えてくる。1930年。レンガ風タイル張りというところはレトロだが、窓の具合がとにかくモダン。

 

 

 

いや、今現在の現代建築と言っても差し支えない感覚だ?

 

この時代としてはかなり先進的な連続横長窓なんだけど、同時に障子みたいで和モダンな感じ。

 

 

しかし、こんな感じの横長連続窓って、どこかで見たような気がする。

 

そうかこれだ!

 

 

雪国の和風住宅でよく見るやつ。

 

あと、玄関アーチのキーストーンにSKKとマークが入っているが、この建物、もともとは旧制仙台高等工業の校舎だったそうだ。

 

(前編はこちら)