■日本歯科大学・東京キャンパス(千代田区富士見)

■そして九段の建築散歩

 

JR飯田橋駅前にある日本歯科大の附属病院からスタートして、九段近辺をぶらぶら回りたい。

 

さて附属病院。鏡面仕上げが輝いている。

 

 

 

先代病院はドイツ帰りの建築家・山口文象設計によるバウハウス風だったそうだが、駅前の現役病院は1987年開院。

 

これもまた直線的でユニークな、バブル風モダニズムと言えなくなくもないかもしれない。

 

87年はバブルの前だけど。

 

白、黒、鏡面の3色展開は、見れば見るほど派手だ。

 

色も形も異なる三つの建物を無理やりくっつけた風、しかも意外に違和感がないのがたまらない。

 

さて、皇居方面に早稲田通りを進むと、歯科大の本校舎が見えてくる。

 

これまたボリューミーなコンクリ箱である。2006年、鹿島。

 

 

こういった、力こそパワー的な建物も嫌いじゃないが、お向かいのテツゲン本社がレトロフューチャーで印象的だ。

 

 

テツゲンの角で早稲田通りを左折する。そこにあるのは東京ルーテルセンター。つまり教会だ。

 

 

設計は日建設計の創始者のひとり、的な位置づけの長谷部鋭吉で、アールデコっぽいというか表現派というか、自由様式的な?

 

各種の箱を複雑に組み合わせた、塊り感のある作りだ。

 

再び歯科大に戻って、謎の民家を右折しつつ、ぐるりと一周。

 

 

 

元に戻って早稲田通りをまたまた進むと、九段中学。

 

すごい、すごいモザイクだ!

 

 

 

細かなタイルできれいなグラディエーションを表現している。図柄はなく、色調変化のみを表現。その分だけ、さらに印象的だ。

 

壁に平面的に貼り付けたのではなく、ドーム状の奥行きのある曲面にみっしり。一歩踏み込むと、囲まれている感に包まれ、ますます興奮する。

 

でまあ、そのはす向かいには旧・山口萬吉邸。現在は会員制オフィスになっているらしい。

 

それより、隣の日絹会館に注目されたし。

 

 

正面もいいんだが、脇の白タイル張り部分がきらめいているんですよ。パールカラーに。陽が当たると、本当に美しい。

 

 

設計者は不明。似たようなジャンルのシルクセンターは坂倉準三、綿業会館は渡辺節と大物がやっているんだけど、日絹会館はどうなんだか。

 

さらに先に進むと、日本工営が入居している九段坂上ksビル。黒川紀章事務所も入っているそうだが、別に黒川紀章が設計したわけではない。

 

 

1960年、松田平田の設計。三井本館にかかわった松田軍平由来の組織設計事務所です。

 

とはいえ、その後大改装されているので。

 

坂をまた上って引き返し、白百合学園の対面の栗田九段ビルを見てから、再び駅前へ。

 

もう一回、附属病院を見て終わり。