■東京歯科大学・水道橋キャンパス(私立・千代田区神田三崎町)
■周辺の建築散歩も
日本最古の歴史を持つ歯科大学。
小学生のころ野口英世の伝記を読んだ人なら、なんとなく記憶に残っているのでは。
野口英世が住み込みで働いていた高山歯科医学院。
それが発展したのが、この大学です。
学院を作ったのは高山紀斎ですが、跡を継いで2代目院長になった血脇守之助が、野口英世のパトロン。
医師免許試験の受験から海外留学まで、あらゆる面で野口の面倒を見たわけです。
ということはさておき、場所はJR水道橋の駅前すぐ。
うーん、なんというか、最初は微妙な現代風ビルだなあ、と思ったけど、よく見ると、なんか大臼歯(奥歯)みたい。
なるほど、歯科大学ですね!
ちなみに先代校舎はこんな感じ。その筋のマニアに有名な建物だったそうで。
さてこちら、町中に本館と別館がある都市型キャンパスで、ある意味すぐ見終わってしまいます。
というわけで、歯科大を起点に、周辺の建築散歩を楽しみたいと思います。
まず外堀通りを御茶ノ水方面に登る。
すぐ見えてくるのが、なんともまあポストモダンな都立工芸高校。
そのとなりがゴチック風に表現派的な昭和第一高校。
1931年落成、木田保造の設計。らしい。
さらにすすむと、聖台ビルディング。
なんともまあ!南イタリアにありそうな建物だ。
かつてはぺパミントグリーンだったのだろうか?
デザインもさることながら、この傷みぶりがリアル・イタリアン。
でも、空室があったら住んでみたい。
で、聖台ビルの手前で左折して、狭い坂を上る。
そこにあるのは、とってもスパニッシュな舞踊研究所だ。
ザ・洋館、というたたずまい。
さらに左に折れると、ベランダの張り出し方が印象的な唐木ビル。なんだか、キュビズム建築みたい。
その奥には、これまたマンサード屋根が素敵な某有名女子高。
さらにぶらぶらすると、興安寺。
その先には、正面のタイルがごっつファンキーな某ペンションS。
とにかくある種、無茶苦茶なモザイク?だ。
すげえインパクト。
さらにうろうろ、坂を下っていくと、大手ビル。
さらに進むと金毘羅さんの隣に、大江宏設計の宝生能楽堂。
能楽堂はさておき、それに覆いかぶさるように作られたマンション部分「宝生ハイツ」が面白い。
なんとなく中銀カプセルタワービルをほうふつとさせるような。
窓、ベランダ、窓、ベランダと、縦横に加えて奥行き方面も持って、3次元的に反復されているのが、とてもリズミカルだ。
こちらは大江設計ではなく、住友建設の設計施工らしい。
残念ながら、遠からず耐震工事で建て替えるとのこと。
ここで後ろを振り返ると、そこはスタート地点。水道橋駅が見える。