■茨城大学・日立キャンパス(国立・茨城県日立市)
小平記念ホールは必見。最近改修されたらしく、非常に状態が良い。
東京から鈍行に乗っていったのだが、早くも取手駅を過ぎたあたりで、特急で行けば良かったと後悔した。
9時に東京を出て、JR日立駅に着いたのは昼過ぎ。
そして駅前ロータリーのバス停が、非常にわかりづらい。
インフォメーションセンターで聞くと、時間1本しか大学行きのバスがない。
しょうがないから、タクシーで10分ちょっと。
すっかりやる気をなくして到着したキャンパス。
しかしながらいきなり、小高い崖上セクションに立つ小平記念ホールにびっくりする。
白い壁に赤い屋根の、かわいらしい小屋の様な建物。
分離派っぽい飾りがあしらわれているが、きわめてモダンでシンプルな印象。
べたつかない愛らしさだ。切妻と窓サッシにはリズムがある。
入り口周りが水色のタイル張りで、これまたおしゃれだ。
その奥には、もうびっくり。
今度はキューブが続いている。一転して幾何学系モダン。
まず小屋を作って、キューブを建て増ししたのか?
しかしながら、なにかしらの一体感があって、この二つの接続には、意外にそれほど違和感がない。
小屋もキューブも戦間期のディテールと言えばそうだけど、一体、誰が設計したのか?
グーグル先生は何も教えてくれない。
日立市で小平というからには、日立製作所の寄付がらみなんだろうけれど。(小平さんは日立の創業者)
ついでに、ホールの向かいのE2棟もいい。小平記念効果で興奮しているせいか、ついでになのか?よく見えてしまう。
さてその奥、サークル棟や体育館はさらに良し。
木立に囲まれたグラウンドにはちょっとしたベンチとテーブルもあるので、一休み。
余裕を持った敷地と校舎配置。地方国立大らしく、敷地の使い方はゆったりと余裕があって、それもまた良い。
さてそれから図書館前の中庭へ向かう。梅が咲いている。春だなあ。
図書館も出所不明なのだが、良い作りだ。
S1棟は、なんだか強引に上層階を建て増しちゃいました風にも見えるのだが、何とも印象的な壁面だ。
ほかの校舎も、一見したところではおもしろみのない、安っぽい箱形建築なのだが、ガラスブロックやら庇やら、何かしら工夫がしてあって、見れば見るほど、おやっと思わせてくれる。
工学部の単独キャンパスで、学生数は院生込みで2800ぐらいか。面積は約9万平米。
なお日立市は有名建築家・妹島和世の出身地と言うこともあり、町中には妹島建築がいっぱいある。
駅をまたぐ連絡通路も、そうだ。
毎日新聞に妹島和世のインタビューが載っていたが、海が見える高台の社宅で生まれ育ち、小学生の頃、雑誌で菊竹清訓のスカイハウスを見て、建築に興味を持ったそうだ。
なるほど、ああいう建物を作るわけだ。