■明治大学・生田キャンパス(私立・川崎市多摩区)
日本のモダニズム建築の先駆けで、分離派運動の中心人物でもあった建築家・堀口捨己によるキャンパスだ。
いろいろ増築されていて、どれが堀口作品かハッキリしないけど、見ればどれが堀口っぽいか、わかるんじゃないだろうか?
複々線化されて、ぐっと早くなった小田急線。生田駅から徒歩10分ちょっとだ。
急行が止まらない駅なので、ちょっと厄介。
恐らく西北門から入ることになるだろう。入り口には新築の産学連携研究センターがある。
中のエスカレーターを経由してもいいし、外階段で上ってもいい。
ゆるゆるとお散歩気分で丘を登って、キャンパスのメーンエリアに向かう。
色々あるけど、明らかに堀口作品なのが第2校舎2号館。
半端ない外付けスロープだ。
学生の移動を円滑にする合理的な解決策だそうだが、大雨とか極寒の日のことを全く考えていないような。
でも、なんかかっこいい!
窓が横長に続いて、ぐるりと角を回り込む第2校舎5号館や、あと図書館も、なんとなく堀口っぽい。
第一校舎3号館も、そんな感じがするような。
どうかなあ。
中央校舎や食堂館は明らかに違う。でも、悪くはないですよ。
中央校舎前の芝生広場(窪地)近辺は、昼間はフードトラックが出る。
暖かい日は屋外でご飯もお勧め。
明大マートで、お買い物もできます。
理系学部が入っていて、学生数8000人に対し、面積は14万8000平米。
ちょっと疲れるけど、2号館のスロープを上まで登ってみよう。
丘の上にあるキャンパスだけあって、眺望もなかなかだ。
暖かい季節に、ハイキング気分で訪れたい。
蛇足だが、明大は古い校舎を順々に取り壊して、新しいものに建て替えている。
堀口校舎もその対象に入れられている。
一般社会での知名度という意味では堀口捨己は微妙だし、校舎も「パッと見てスゲエ」ものではない。
よく言って、「玄人受けする」という表現どまりだろう。
そういう意味で、取り壊されるのは仕方ないかもしれない。
とはいえ、1棟ぐらいは残しておいてもいいのではないだろうか、という気もする。
昔、明大の中の人に連れられて、和泉キャンパスの堀口校舎を見て回ったことがある。
正直、外観はそんなにすごいか?と思ったが、中は明るくて静かで、光の具合が素敵だった。
もちろん昔の話なので、記憶が美化されているだけかもしれないが。