■立正大学・熊谷キャンパス(私立・埼玉県熊谷市万吉)
 
1966年、代官山ヒルサイドテラスで知られるポストモダン建築家・槇文彦の設計で作られた。

 


その後の建て替えや大規模改修により、「そのまま残っている」当時の建物はほとんどないが、それでも「槇っぽい」。
 


入り口のゲートプラザは「槇っぽさ」を維持した形で改修されているし、全体的なキャンパスの配置設計は、やはり「槇っぽさ」が濃厚だ。

 


 
具体的に言ってみろ、と叱られそうだが、それは後ほど。

 


 
とにかく立正大は、日蓮宗系列の由緒ある大学。宗教系の例に漏れず、建物に力が入っている。

 


 
JR熊谷駅からバスで15分ほど。本数は時間3本程度はあるので、それほど待たずにすむだろう。
 
では順々に。

 


 
入口のゲートプラザとその横の小川。

 


 
すごく槙文彦っぽい。代官山のにおいがぷんぷんする。

 

 

先に進む。さりげなくダイヤモンドチェアが置かれた川っぺり。おしゃれ!

 


 
本人が「都市として性格を付与することに留意した」というキャンパス設計。いつもの槇節がさく裂している。

 


 
槇文彦は建物単品より、そこそこの敷地の全体計画を担当した時に真価を発揮する建築家だと思う。

 


 
簡単に言えば、「ぶらぶら歩きまわってみたい」と思わせる街並みと公園の複合体を作るのがすごく上手。

 


 
ちなみに竣工当初はゲートプラザ、ゴリゴリの打ち放しコンクリートだったそうだ。
 
内装にはその面影が。

 



 


 
奥の新校舎アカデミックキューブは、石本建築事務所。

 

 
ぐんぐん奥に行くと、サークルボックスという名のサークル棟。

 

 

反対側から見ると、でこぼこが面白いテラスハウス風。



槇かと思ったが、内井昭蔵の設計だった。
 
内井昭蔵は由緒正しい?ギリシャ正教徒なのに、日蓮宗関係の仕事をちょくちょく受けている。いや、別にどうこういうわけではないんですが。
 
学生食堂などが入るステラプラザ。裏から見ると、どこかお寺っぽい。なるほど日蓮宗だ。

 

 


 
9号館など。

 

 

 


 
9号館も内井昭蔵物件。
 
個人的には一番印象に残ったのが、5号館だ。

 


 
遠目には無個性は白い箱形学校建築にしか見えないが、近づくと荒々しい壁肌に驚かされる。

 



 

学生数は7000人ぐらい?(適当)。面積は35万平米。
 
ところで埼玉には、地元名物の餃子チェーン「餃子の満州」というのがある。JR熊谷駅にも入っている。王将より3割美味しいので、ぜひ。
 
もう一つ。
 
熊谷までわざわざ来たんだし、ほかに行くところは無いの?という方には、埼玉工業大か秩父鉄道行田駅をお薦めしたい。
 
行田は映画「のぼうの城」などで有名になった町だが、繊維関連でかつて栄えた北関東の町のご多分に漏れず、当時の繁栄を感じさせてくれる近代建築や近世建築が色々と残っている。
 
B級グルメのフライもいい。ゼリーフライではなく、普通のフライ、それも卵・焼きそば入りの方だ。

  交通メモ

 

立正大学・熊谷キャンパス


住所: 埼玉県熊谷市万吉


JR上野駅から高崎線で約1時間。熊谷駅下車。バスで約20分で到着。ちなみに熊谷市役所は早稲田・大隈講堂を手掛けた佐藤武夫の晩年の作。夏は猛暑、冬はからっ風で顔が痛くなる街だが、空も広いし、うどんやフライなどの粉ものグルメも美味い。