■東洋大学・白山キャンパス(私立・東京都文京区白山)

 

 

個人的な感想だが、宗教系の大学は仏教・キリスト教を問わず、校舎に力が入っているような気がする。

 

建物の威信が人々におよぼす力というものについて、敏感なのだろうか。

 

 

お寺が母体というわけではないが、仏教改革に取り組んだ思想家・教育者の井上円了を開祖とする大学だ。

 

ちなみに井上氏、謎めいた民間思想家ではなく、かなり初期に帝国大学をご卒業された超エリート知識人です。

 

1887年の前身にあたる哲学館を創立したんですが、帝大人脈を使って講師陣をそろえ、小中学校の教員試験の受験予備校として人気を博したという。

 

昔々は、師範学校(現在の教育学部)を卒業しなくても、試験で一発合格すれば先生になれた(就職できた)んですね。

 

さてその場所は、三田線白山駅から徒歩7、8分。学生数2万人に対し、4万7000平米。

 

都心の決して広いとはいえない敷地に、高層校舎を連ねている。

 

 

まず最初に目に入るのが、日建設計による8号館

 

 

巨大ゲートのような、かなり量感のある建物だ。

 

隣には、お供の9号館。

 

入り口なのに8号館とはこれいかに?というところだが、芋づる式に敷地を拡大してきたキャンパスなのだ。

 

中心部に1、2号館があり、周囲の土地をドンドン買い足していって、外側に新しい校舎が増築されていくわけだ。

 

そんな新鋭校舎を横目に、ゆるい階段を上っていくと、創立者・井上円了の銅像と記念館が見えてくる。

 

 

その奥にはシンボルタワーの2号館を始め、映える建築が次々と。

 

 

 

 

 

しかしながらキャンパスの白眉は、このメーンエリアではない。

 

公道を挟んで南西側にぽつんと位置する、6号館であると思う。

 

気合の入った表情の白タイル。ガラスブロック。大好きだ。

 

屋上庭園になっているので、地球環境にも優しそうだ。

 

 

 

 

大通りから見える形は8号館に似ているのだが、よりギリシャ神殿っぽいデザインに寄せているせいか、モダンで動的な8号館に対し、静謐な6号館、という印象を受ける。

 

こんな外装のマンションにでも住んでいれば心が落ち着き、すぐにでも悟りが開けそうだ。

 

ついでながら、食堂もすごい。

 

同じ仏教系の駒沢大学もそうだったが、イオンのフードコートのように、おなじみのチェーン店が多数出店している。

 

おっともう一つ。

 

甫水会館もガラスブロックがとても素敵だ。