■東京外国語大学(国立・東京都府中市朝日町)
 

最初はパッとしないキャンパスだと思ったが、見て回って、そして帰ろうという時には結構、いや、かなり好きになっていた。

 

 

JR武蔵境で西武多摩川線に乗り換え、多磨駅で降りる。さらに徒歩五分。

 

多摩川線という短い路線、なかなか年季の入った車両で運行されている。

 

 

が、本数は意外に多い。意外にスムーズにキャンパスまでたどり着くことが出来るだろう。

 

 

この大学、もともとの由来は東大と同根で、日本でも最古参の大学の一つだ。

 

とはいえ、現キャンパスは久米設計などを中心にしたJVにより2000年に竣工したばかり。駒込と王子の間ぐらいにあった旧・西ヶ原キャンパスから移転してきたものなので、歴史的な建物はない。

 

 

留学生もたくさん歩いていいて、異国の言葉がそこかしこから聞こえてくる。

 

日本では類を見ないキャンパスであるといえるといえばそうなのだが、正直なところ、2000年ぐらいから日本に量産され始めた郊外型アウトレットモールみたい作りだなあ、と思った。

 

外国人(観光客)がいっぱい歩いている、というところも含めて。

入口から少し入ったところに巨大円形広場があって、その縁は回廊になっている。

 

 

回廊は二階建て。上に登ってぐるりと回ると、なかなか景色がいい。

 

 

広場を複数の道が貫いているのだが、どの道も広場の中心点は通らないようになっている。

 

想像だけど、アゴラ(広場)に集う人々の流れをイメージしつつも、軸を外すことで、独立した個人が集まり、そして分かれていくというストーリー性を持たせ、知の中央集権主義には陥らないということをアピールしているのではなかろうか(適当)。

 

 

それはさておき、広場の周辺に色々建物とか通路があるわけだが、とりあえず羅列しておく。

 

 

 

 

小人さんの帽子を大きくしたような大学会館。学生食堂や生協が入っている。

 

 

裏からも見てみる。

 

 

生協へ土産物を物色しに行くと、面白かったのは国旗ステッカー。

 

様々な国の国旗が手のひらに収まる円形ステッカーになっていて、そこに東京外語大と書かれている。外語大らしい、一品だ。

 

円形広場を離れた周辺部にも、庭や小広場が配置されている。

 

 

 

より静かに、ゆっくりと散策が楽しめる。ゆるやかなS字にあしらわれた歩道。悪くない。

 

 

 

さて、それから研究講義棟へ。この大学の中枢部である巨大構造物だ。

 

 

外から見てもデカい。

 

 

中に入ると巨大な吹き抜け。

 

 

 

トップライトから光。

 

 

ますます巨大感がいや増す。

 

 

力こそパワー。 

 

まあそんなこんなで、そろそろ引き上げようか、と思ったところで大学会館の裏手に回ると、いきなり和のしつらえ。

 

 

 

ほほう、留学生にでもアピールしようという試みですか?悪くない。

 

 

引きで写真を撮ろうと、隣のアジア・アフリカ言語文化研究所に向かうと、なんと壁に素敵なモザイクが。

 

 

いやあ素敵な大学ですね!本当にいい!僕はモザイクが大好きなんですよ。モザイクがあれば何だっていいんですね。

 

回廊に戻ると、そこで気が付いた。この回廊、列柱に可憐な花が描かれたタイルがあしらわれている。

 

 

すごくいい。とても素敵なキャンパスですね!お世辞抜きでいい!

 

 

僕はもうね、タイルがあれば何でもいいんですよ。

 

中世ロマネスク様式のキリスト教修道院の回廊の柱は、植物や動物の彫刻で飾られていたという。

 

そんなこんなで、外語大の柱も飾ったのだろうか。

 

それはさておき、気になったのはこの大学の校章だ。

 

 

見た感じ、商業や交通のシンボルで、一橋大の校章でもある「カドゥケウス」に似ている。

 

というか、カドゥケウスを上下さかさまにしたような感じだ。

 

もともと外語大は明治時代、在校生の反対にもかかわらず一橋大(当時は東京高等商業)に吸収され、その10年後、再度独立したという経緯がある。

 

なんで外語大と一橋が?と不思議に思うかもしれない。

 

 

が、昔の外大は「国際理解」や「文化交流」ではなく、ずばり「貿易の実務」を学ぶための学校だったからだ。

 

外語大のHPには校章の由来について、もっともらしい「イイ話」が掲載されていたのだが、本当のところはどうだったのだろうか。

 

学生数は4400人。面積は13万平米。

 

外部の人間の夜間立ち入りと、犬の散歩はNGだ。

 

 

  交通メモ

 

東京外国語大学(国立)

 

住所: 東京都府中市旭町

 

新宿駅から中央線快速で20分。武蔵境駅で多摩川線に乗り換え。5分で多磨駅。さらに徒歩5分。隣の都立武蔵の森公園でぶらぶらしながら調布飛行場の発着を眺めるのもおつなものだ。