東邦大学(習志野・大森キャンパス)

 

(写真と文章を入れ替えました) 
 
まずは習志野キャンパス。

 

スカイツリーの押上から京成線に乗って約40分、京成大久保で降りて徒歩10分。日大生産工学部の西隣だ。 

 


 
薬学部と理学部、健康科学部からなるキャンパスで、学生数は4000ちょっとか。面積は約11万平米といったところだろう。根拠は体感だが。 

 


 
もともとが医学部をルーツとする大学だけあって、白壁校舎で満たされた清潔なキャンパスだ。 

 

 


 
とはいえ薬学部の薬草園がのどかな風景を醸し出していて、無機質な空気や緊張感は感じさせない。

 


 
正門から入って通りを北上する。右手のメディアセンターは階段がキャッチー。 

 


 
左手の薬学部A棟は、ちょっと左右非対称なデザインがおもしろい。 

 


 
キャンパス内は適宜、ベンチをしつらえた広場がある。 

 

 


突き当たりにはスポーツアリーナ。 

 

 
さらに進むと、体育会の部室棟。 

 

 
老いも若きも白塗り校舎が相次ぐ中、ちょっと違うのがキャンパス片隅にある武道場。 
 

 
正体は旧陸軍騎馬連隊の木造倉庫。戦前は第1騎兵旅団第13,14騎馬連隊の駐屯地で、戦後は東邦大と、その隣の日大生産工学部のキャンパスに払い下げられた、というわけだ。 
 
すでに解体されたと思うが、中はこんな感じ。 

 


 
うーん、古い木造倉庫だ。 
 
薬学部のある大学は付属薬草園とおまけの花壇があるのがお約束で、だいたいそこが心に癒やしを与えてくれる。 

 


 
薬草園の温室には、正体不明の謎薬草が山ほど栽培されている。 

 

 


 
そのそばには、ピカピカに輝く健康科学部棟。 

 


 
モダン建築、ピロティにガラス張りというのは広々としたスペースに置いて、かつ青空をバックにしてこそ見栄えがすると実感させられた。 

 


 
東邦大は、日大医学部の初代学部長(当時は学科長)を務めた額田豊が1925年に創設した帝国女子医学専門学校(旧制の専門学校は、現在の大学にあたる)がルーツだ。 

 


 
東京帝大医学部を卒業後にドイツへ留学したのだが、ドイツ人女性の知的水準の高さに驚き、「日本でも女子教育の充実が急務である」と考えたという。 

 


 
ちなみに豊氏の教育方針だが、以下の通り。 
 
1.    黒板のノート板書を否定。教授はひたすら黒板に書いて、学生はひたすらノートをとる、という伝統的スタイルにダメ出し。教科書をベースに授業を進め、学制はアンダーラインを引いて補足説明をちょっと書きこむだけ、という形にした。教授の話に耳を傾け、ゆっくり理解してほしいという意図。 


2.    試験の点数や席順は公表しない。のびのびと余裕を持ちながら勉強してほしいという狙い。 

 


 
さて、習志野キャンパスを見た後は、本体ともいえる医学部のある大森キャンパスへ。 
 
場所は大田区。京急線の梅屋敷駅から徒歩10分ぐらいだ。見所は医学部本館だ。 

 


 
1929年、増田清の設計。東京帝大で建築を学んだ、佐野利器門下の鉄筋コンクリート増のプロフェッショナルだ。 
 
本体はコンクリート造ながら、表面にはレンガ風タイルを張り付けた堂々たる建物。重々しさと権威をアピールするデザインですなあ、いかにも戦前の学校らしい、と思ったのだが、どうもそうではないらしい。 
 
元々は白壁のアールデコ風味なモダン校舎だっだという。 
 
1933年に増築した際、人目に触れる正面にタイルを張ったそうだ。 
 
裏側は今も白壁のままだ。 
 
全面タイル張りだったけど、増築の際に費用をケチって一部をタイル無しで作った、と最初は考えていたのだが、全く正反対でした。 
 

  交通メモ 

 

東邦大学(習志野・大森キャンパス)

 

住所: 千葉県船橋市と東京都大田区

 

習志野キャンパスは東京駅から総武線快速で30分、津田沼駅で下車してバス11分。隣の日大生産工学部は建築好きなら必見。大森キャンパスは津田沼駅から総武線快速と京急本線を乗り継いで約1時間。梅屋敷駅で下車。そこから徒歩10分だ。