■岡山大学・津島キャンパス(国立・岡山県岡山市)
自慢は図書館時計塔。白系に茶色という、明るく、それでいて落ち着いた配色は好きだ。直線的なデザインと、背景の山々の曲線との対比もいい。
あと、SANNA設計のテラスも自慢だそうだ。
市街地型キャンパスとは思えない規模の広々とした敷地に、校舎がゆったりと、それでいて冗漫になることなく配置されている。
学生数は1万人ちょっと。キャンパス面積は64万平米。
基本的には戦後建築のキャンパスだが、戦前の物件も残っている。とはいっても大学ではなく、旧陸軍の建物だが。
JR岡山駅からバスで10分少々。歩いて行ってもいいだろう。
キャンパスは車道で3エリアに分割されている。
まず、西キャンパス、農学部と薬学部のある所から見物する。いきなりおしゃれなカフェ風の建物というかなんというかが目に入る。
ジュンコフクタケテラス、というそうだ。見た目で想像が付くとおり、SANAA設計だ。
しかし現代風なのはぶっちゃけここだけ。先に進むと、戦後派校舎建築が次々とやってくる。
このデザイン、各地の国立大学でよく見かけるものではあるが、外壁タイルに財力の違いが出てくる感じがある。
岡山大はイイ感じです。
それどころか、木造物件まで出てきた。
研究センター事務棟などとして現役で使われており、改修が入っているのであろう、状態はかなりいい。
見た感じ、贅を凝らしたシンボリックな自慢の建物という感じではなく、量産型公共建築風だ。
出自はわからないが、このキャンパス、もともとは明治以来の旧陸軍17師団駐屯地だったことを考えると、陸軍のものだろう。
さらにキャンパス端へ進むと、レンガ造り瓦ぶきの倉庫風建物も出てきた。こちらも状態は悪くない。
創立50周年記念館や本部棟と、なかなか立派な庭園も散策にはもってこいだ。
次いで北キャンパスへ。
図書館時計塔は横から見ても、時計塔になっている。
つらつら工学部方面に向かうと、なるほど岡山は晴れの国、と感じさせる南国ムードも漂ってくる。
工学部系は高層校舎が多いのもお約束。
それでいて、東キャンパスと同様のレンガ造も残っている。
ところでここから、おともだち疑惑で有名になった岡山理大のキャンパスが見えるのだが、半端ない作りだ。
よくあんな所に建てようと思ったなあ、そして、いろいろな意味ですごい外観だなあ、と圧倒されてしまう。
教育学部も巨大な校舎だ。
最後の東キャンパスは、一般教育とスポーツ施設のエリア。
ここでゆったりと芝生に座って、空でも見上げてゆっくりしたいものだ。
出張なり旅行なりで空き時間が出来た時、姫路城と岡山大、どっちを見に行く?と聞かれれば、自信をもって岡山大をお勧めしたい。