■山形大学・小白川キャンパス(国立・山形県山形市)
1901年(明治34年)落成の旧校舎が残っている。
山形師範学校の校舎として使われ、戦後しばらくは山形大教育学部の校舎だった。
重文指定。ルネッサンス様式の堂々たる木造洋館。
正面は西を向いている。つまり、朝日を背にしたその姿は、明治の学生たちに「文明開化の輝き」をまばゆいばかりに放っていたというわけだ。
アクセスは徒歩がおすすめ。山形駅からまずは旧県庁(これも堂々たるルネッサンス!)を見に行き、そこを経由して旧校舎に。
山形大は後にちょっと離れたところに移転したので、現在は県立山形北高校の敷地になっているが、旧校舎は「教育資料館」として、一般開放されている。
旧県庁から東へ歩いて行くと、やがて旧校舎が見えてくる。堂々たる押し出しだ。
建物は正面の一部が保存されているだけだが、状態は悪くない。
しかし思うのだが、昔の洋館って、結構色が派手だなあ、ということ。赤白緑、ですよ。
建物内もキチンと整備されているので、ぜひ拝観を。
見どころは門のそばにある門衛所と休憩所。
特に休憩所は、洋小屋組みの作りがよく分かる。
隣には立ち入り禁止の木造講堂がある。こちらは師範学校付属尋常小学校の音楽練習教室。
傷みが激しいが、ぜひ保存して欲しいと思う。
さて、次は南へ10分ほど歩いて、現在の山形大へ。
分かりやすい見ものはないが、ほどよく端正で、ほどよく新しく、それでいてほどよく歴史を感じさせる。
特に学生食堂裏手の中庭は、大学としては凝った作りだ。
ぜひとも紅葉の季節に訪れたい。
学生数は4000人ぐらいだろうか?(適当)、という規模に対し面積12万平米。国立大のメインキャンパスとしてはやや小ぶりだ。
入構すると幅広なメーンストリート。途中が上り坂になっているのが、ちょっと風変わりなキャンパスだ。
全体的に控えめだが決して悪くはない。入り口そばのC1棟は、品よく「ここは大学ですよ」と説明してくれる。
色づいた銀杏並木を見ながら進む。
近代的なA2棟、その向かい側の、少し年季の入ったA7棟の対比もそれなりに面白い。
基本的に、学生施設と教育学部の入るAゾーンが少し古めの建物が集まる。学生会館や生協はちょっとレトロだ。
Aゾーンにある中庭は結構力が入っている。中央のモニュメントに向けてきれいに作られている。
夏場は直射日光が厳しそうだが、春秋ならどんとこいだ。
新しめの建物が集まるBゾーンも、B4棟の壁と窓の表情など、所々に味わいを感じさせてくれる。
ところでキャンパス奥地に「学生ホール」と名乗る建物がある。行ってみると、これはホールと言えるのか・・・と思ってしまったが、数少ない「昔の名残り」といえるだろう。言えるのか?
まあいろいろと、自然豊かでもある。