■武蔵野音楽大学(私立・東京都練馬区)
ベートーヴェンホールが美しい大学だ。
個人的には、意外な拾い物だった。失礼な言い方だが。
日大芸術学部を拝観しようと江古田まで出かけていったのだが、学園祭の真っ最中で、落ち着いて見物するどころではない。
じゃあ武蔵大学でも寄っていくかと思えば、こちらも学園祭。
仕方ない。しかしそういえば、この辺にもう一つ音大があったような気がする。
というわけで行ってみた。
江古田というと、日芸をはじめとする学生街という印象もあるかもしれないが、ちょっと奥に入ると、静かな住宅街だ。
そんなエリアにキャンパスはある。
見ての通り、1000人ちょっとが通う1万2000平米のキャンパスを、みっしりと校舎が埋め尽くしている。
大学自体は、1929年建学の武蔵野音楽学校を源流とし、49年に大学認可を受けた古株の音大だ。
ただキャンパスの建物は、2017年度から大林組の設計施工で、最新鋭の校舎に建て替えたばかりだ。
かっこいい入り口の向こうは、おしゃれそうな中庭になっている様子が見て取れる。
さて、そのまま外周をぐるり。
とまあ、新築の建物は、いかにもゼネコンが立派に仕上げた、今風のすばらしさ。
そんな中にひときわ、昔から続く輝きを見せるのがベートーベンホールだ。
キャンパスの中で唯一、再開発されずに保存されたシンボル的建物で、1955年の落成。
日本初の本格的コンサートホールだそうだ。
誰がどう設計したのかとかの情報は見つからなかったので、じっとりねっとり見ておこう。
現在は再開発に伴うリニューアルのため休館中だが、キャンパス内には楽器博物館もある。
関心があればぜひ。