桜美林大学・町田キャンパス(私立・東京都町田市)
(写真と文章を大幅に入れ替えました)
時折、オシャレドラマのロケ地に使われるという。ごもっともなおしゃれ具合である。
洋館マニア御用達の建築家、ウィリアム・メレル・ヴォーリズゆかりのミッション系大学という出自のせいか、ヴォーリズが開設した一粒社ヴォーリズ事務所が手掛けた校舎が少なくない。
一番古そうな体育館でさえ1966年落成だし、全体的に70年代後半以降っぽいデザインなので、64年死去のヴォーリズ本人はかかわっていないと思われるが。
さてこのキャンパス、住所は町田市だが、最寄りは町田駅ではない。町田乗り換えでJR横浜線の淵野辺駅だ。新宿からだいたい1時間。
駅からスクールバスが出ているが、市営バスの本数もそれなりに。駅から7分で到着だ。
こちらのキャンパスは桜美林の総学生数9000人の大部分が通っていて、面積は15万平米。なかなかの規模だが、東西南北の4エリアに分かれている。
中枢部は東西の二つだ。南北はまあ、おまけみたいなミニエリアだ。
東西の両方エリアとも道路沿いに校舎が壁を作り、敷地中央に静かな中庭を作る、僧院型のキャンパス設計になっている。
東エリアは新しく現代的な校舎が中心。西側はちょっと古め、レンガ風タイル張りの校舎が中心の落ち着いたエリアだ。
両エリアの境目に、体育館とトレーニング館、そして図書館がある。
「明々館」「崇貞館」というように、校舎には中国風の名前が付けられ、そこはかとなく入り口に中国モチーフ感が漂わなくもない図書館の前には孔子像が立っている。
その孔子様の視線の先は、これまた現代的な設計が輝く礼拝堂だ。その頂点に輝く十字架が神々しい。
どうしてこうなった?
それは、学園創設者の清水安三の経歴によるものだ。
清水は1891年、滋賀県高島市生まれ。
中学生時代、日本に来たばかりのヴォーリズが個人的に開いていた聖書講座にたまたま顔を出したのを機に、クリスチャンの道に目覚めた。
ヴォーリズの経済的支援を受けて同志社大神学部に進み、宣教師を目指すことに。卒業後はプロテスタント系の日本組合基督教会の宣教師として中国に渡った。
日本にミッション系の大学や中学高校がたくさんあることからわかるように、宣教師が教会と一緒に学校を作るのは、ある意味お約束だ。
というわけで清水は、現地で中国人を対象とした「崇貞平民女子工読学校」を設立。その合間に教会の推薦で渡米。オーバリン大学に留学し、教育論などを学んだそうだ。
戦後は日本に引き揚げ、今度は日本で教育活動をしようと作ったのが桜美林大学。いうまでもなく、オバーリンにイイ感じの漢字を当てはめた命名だ。
ちなみにキャンパス敷地などは、キリスト教社会運動家でGHQとも太いパイプがあった賀川豊彦のあっせんで手に入れたそうだ。
ま、とにかく見栄えがするしきれいに清掃されているし、中庭も整備されているし、とてもとてもいいキャンパスだ。
交通メモ
桜美林キャンパス(町田キャンパス)
住所: 東京都町田市常磐町
新宿駅から小田急線快速急行で35分、町田駅へ。JR横浜線に乗り換えて三位が、町田駅からバスで25分、という選択肢もある。青山学院大学相模原キャンパスや麻布大も歩いていける距離。ご一緒にどうぞ。