■成城大学(私立・東京都世田谷区)
■むしろ周りのお屋敷街に圧倒される
小田急沿線を代表する高級住宅街の駅、その名も「成城学園前」にある。
名うてのセレブリティ大学であるから、さぞかし豪壮で広大なしつらえであろうと思ったのが、意外にそうでもない。
さて正門。割と多めの警備員が配置されている。
幼小中高が同一敷地内に入っていることもあり、不審者対策は厳しいのだろう。
中に入ると、右手に図書館。
石畳も予算がかかってそう。
さらに少し行くと広場があり、四方に大学校舎がそびえ立つ。
さらに進むと敷地裏。残念ながら散策を、といった風情ではない。
引き返して、入り口すぐで右手に曲がる。こちらも校舎や生協、食堂などが並ぶ。
らに進むと、ミュージックホールや講堂など、モニュメンタルな建物が現れる。
が、これでおしまい。この先は小中高の敷地だ。
講堂前には、学園の由来を記した看板があったので読んでみた。
意外な発見。
さぞかし歴史のある大学かと思いきや、実は戦後の新制大学。
もともとは小学校から出発し、中高大、あとは幼稚園と、徐々に拡張してきたそうだ。
なるほど、このキャンパスの狭さにも納得できる。
全体では13万平米程度と、それなりの規模はあるのだが、大学だけでいえば半分程度もないだろう。学生数は6000人。
ただ作りは悪くない。驚くような建築的価値や歴史はないと思われるが、きちんと作られ、メンテナンスにも然るべき予算が投じられてきたことはよく分かる。
悪くはない。悪くはないが、散策するほどの広さではない。
もちろん、小中学ゾーンまで含めれば、それなりの散策路となるのだろうけれど。
大学エリアを一通り見てから門を出る。
散策という点からすると、裏手を流れる仙川沿いの遊歩道がベター。
校舎の眺めも、キャンパス内から見るより、川から見た方が良い。
川沿いにはいい感じの民家も多い。さすが成城。
そんなこんなで、再び大学に戻る。そして再び正門から出る。
目の前に一直線にイチョウ並木が続く。豪壮な風景。残念ながら、大学の敷地外なのであるが。
まあとにかく、成城はお屋敷街だと言うことだろう。もう一度、大学を振り返る。
高級住宅街をぶらぶらして、駅前の成城石井で何か良さそうな物を買って帰ろう。
思うに、ここの成城石井は本店か、それに類する物に違いない。
というわけで、並木をずんずん進んでみた。
すごい。これはもう、マジもんのお屋敷街だ。
新旧取り混ぜ、びっくりするような建物に、びっくりするような頻度で出くわす。
本当にびっくりするような街だ。
個人邸宅のビジュアルは僕の心の中にしまっておくとして、旧山田家住宅(成城4-20-25)は区指定有形文化財で、一般公開されている。
中も必見。