■浜松医科大学(静岡県浜松市東区)
1974年発足。

高度成長期、静岡県にも国立医大が新設されることになった。
県議会は県中部への設置で合意したのだが、県西部(磐田市)が地盤の県知事は無断で国に「県西部」への設置を申請。

その結果、浜松に作られることになった。
収まらないのが県中部・東部の県議たち。

色々あって、知事は任期途中で勇退することになった(あくまで自発的に、ということにはなっているが)。
ま、一事が万事で静岡県は地域間対立が根深い。

よく遠江(県西部)、駿河(中部)、伊豆(東部)の地域間対立のことが言われるが、そんな生易しいものではない。
西部でも浜松と磐田の仲は微妙だし、東部でも沼津と三島はあれだし、御殿場と富士はそれぞれ独自の衛星的立場を崩さない。熱海は自分たちのことを静岡県民だとは思っていない。

志太榛原や掛川といった、中部とも西部ともつかない謎地域もある。
前知事がそのあたりに空港を作り、新幹線を止めようと画策したがJR東海が鼻であしらったため、後継知事に「ワシの恨みを晴らせ」と遺言。

その結果、「リニアは絶対通さない」ということになったのは、県民ならみんな知っていることだ。
ちなみに、浜松医大と静岡大の2国立大学で合併交渉をしているのだが、これがまとまらない。もめている。

というと、浜松医大が静岡大に吸収されるのを嫌がっているように思うかもしれないが、さにあらず。

静岡大は工学部が入る浜松キャンパスと、残りの学部の静岡キャンパスの2拠点体制を取っているのだが、浜松工学部と浜松医大は静岡大学から独立して「西静岡大学(仮)」を作り、残った「東静岡大学」と対等な存在として、「アンブレラ方式」で持ち株会社の下にぶら下がろう、と主張している。
つまり、浜松側の分離独立構想なのだ。

これに対し静岡側が主張するのは、みんな合体して一つの大学になり、本部は静岡キャンパスに置こう、というプラン。
そう簡単には話はまとまりそうにない様子なのだ。
交通メモ
浜松医科大学
住所:静岡県浜松市東区半田山
JR浜松駅から医大行きバスで40分ぐらい。遠州鉄道新浜松駅から20分、積志駅下車徒歩25分、というチョイスもある。