■桜美林大学・ひなたやまキャンパス(東京都町田市本町田)

 

旧市立本町田中学校と本町田西小学校の跡地、約3.2万平方メートルを市から借り受けて作った新キャンパス。2020年4月開設。

 

 

町田キャンパスにあった芸術文化学群が移ってきた。

 

 

文学部から派生・発展した学群で、クリエイター養成をうたっている。

 

 

歴史は浅いが、まあ日芸(日大芸術学部)だって、文学部から分離独立してあそこまで発展したんだから、桜美林もがんばれ、って感じだろうか。

 

 

キャンパスは大規模団地の真っただ中。

 

 

高齢化が進み、小中学校にも統廃合の波が容赦ない。

 

 

結構こういった形で、小中学校を転用した大学が増えてきている。

 

 

東京未来大とか、日本映画大とか。

 

  交通メモ

 

桜美林大学・ひなたやまキャンパス

 

住所: 東京都町田市本町田

 

町田駅からバスで15分ぐらい。最寄りのアクティビティプレースは、町田リス園。なかなかいいところだ。

■立命館大学・大阪いばらきキャンパス(OIC・大阪府茨木市岩倉町)

 

 

公共公園や商工会議所が一体化・入居した地域開放型キャンパスだ。

 

 

立命館は創業の地で京都市街地北端部の衣笠キャンパス、1994年に滋賀県と草津市から誘致されて(=優遇措置・補助等々)開設した郊外キャンパスのびわこ・くさつキャンパス(BKC)があった。

 

 

その後、郊外キャンパスの都心回帰の流れが強まる中、立命館は茨木市のサッポロビール跡地を買収。街なかのなかなかいい具合の場所に2015年、大阪いばらきキャンパスことOICを開設した。

 

 

順次BKCから学部が移転しているため、草津市とはもめたり揉めなかったり、なのだが、それは立命館に限ったことでなく、青学に東洋に…と、大規模私大すべての共通項なので仕方ないだろう。

 

 

プランニングは山下設計。そつのない校舎とその配置。キャンパス面積は10万平米。BKCの65万平米とは比べるべくもないが、衣笠の12万平米とはいい勝負。

 

 

なのだが、衣笠に比べるとちょっと狭いというか物足りないというか、散歩し甲斐がないなあ、と感じてしまうのは、全体構成の問題だろう。

 

 

昔ながらの大学キャンパスは、そこそのまとまった広さの敷地にとおりと広場とモニュメントが置かれ、校舎が散在する。

 

 

小なりと言えども、ユニバースでかつシティを目指していたわけだ。

 

 

が、最近は、つまりイオンモール。大型ショッピングモール風のキャンパスが増えてきた。まさにOICもそう。

 

 

でかい広場、デカイ校舎。ザッツオール。

 

 

建物に崇高さを出すには大きさと反復が必要なので、大型校舎というコンセプト自体に問題はないと思う。

 

 

とはいえ、大きすぎると冗長さや退屈さに堕してしまう。設計者のお手並み拝見、というところでしょうか。

 

 

 

  交通メモ

 

立命館大学・大阪いばらきキャンパス

 

住所: 大阪府茨木市岩倉町

 

JR新大阪駅から東海道線で15分。茨木駅下車。さらに徒歩5分。線路を挟んだ向かい側にはイオンモールがある。大阪モノレールの宇野辺駅か南茨木駅も近い。交通至便なロケーションだ。準都心的な住宅街、というエリアだ。

 

■秋田県立大学・秋田キャンパス(秋田市下新城中野街道端西)

 

秋田県には公立大学がたくさんある。県立大が3キャンパス、公立美大に国際教養大まである。

 

一方で4年制私大は、ノースアジア大(と、そのキャンパス内に同居する系列校の看護福祉大)だけだ。

 

その辺の事情には触れないでおいて、キャンパスに触れよう。

 

 

 

名字から推察されると思うが、場所は市内であって市内ではない。

 

秋田駅から電車に乗って3駅、追分で降りる。結構遠くまで来た感。

 

そこから徒歩20分ぐらいだろうか。

 

まずは車がビュンビュンな国道7号を歩き、西に折れる。住宅街だ。その端っこにたどり着く。そこからさらに、森の中へ消える道。

 

蛇行しながら下って行くと、木々の間に塔屋が見えてくる。なんというか、デ・ステイル派的なタワーだ。

 

どうでも良いことだが、秋田の公立大は居抜きで入った国際教養大をのぞいて、キャンパス設計が似ている。(あと、秋田県立大八郎潟キャンパスも行ったことがない)

 

とにかく、みな円形広場。回りに湾曲した校舎。そしてシンボリックな塔。入札要件のデフォルトなのだろうか。

 

しかしながら秋田県立大四天王のうち、ここ秋田キャンパスが最強だと言って良いだろう。

 

とにかく広々としている。

 

建物だけではなく、その配置や広場も含めたキャンパス全体のデザインで見せようというなら、やっぱり広い方が良い。

 

でまあ、凸側を向けて出迎えてくれる本館とタワー。

 

くぐり抜けて中央広場に向かう。

 

 

池がしつらえてあっておしゃれ。

 

 

校舎の湾曲もおしゃれ。

 

 

結構広い広場中央には真っ赤なよく分からないオブジェ。

 

 

さすが秋田、雪国と言うべきか、各校舎は空中連絡通路で結ばれているのだが、通路にはカラフルなポスター?がデフォルトで飾られているようで、大変カラフルだ。

 

 

その向こうは広大な芝生。

 

 

冬は大雪原、ということなのだろうか。それもまた見てみたい。

 

さらに進むと農場やグラウンドのエリア。

 

 

その向こうには風車が見える。ということは、海が近いと言うことだ。

 

 

青いキウイ鳥のようなオブジェも見える。倒立したおたまじゃくしかもしれない。

 

 

振り返って、茫漠とした空間を確認し、来た道を戻る。

 

 

 

 

■麗澤大学(私立・千葉県柏市)

 

道徳科学(モラロジー)の提唱者、廣池千九郎が開設した。

 

いったいどんな学問なのか、どんな人なのかは、ここでは割愛。ググってみて下さい。

 

 

それはさておき、キャンパス的には上々。

 

 

広々とした緑豊かな敷地(ゴルフ場もある)の中に、余裕を取った芝生広場。そして校舎。

 

 

ちょっと古めの昭和風校舎。

 

 

最新鋭のピカピカ校舎も。

 

 

こちら、「あすなろ」という名前で、岡田新一の設計だ。

 

 

まあ、行って見ての通り、なかなか歴史のあるキャンパス。とってつけたような樹々と建物ではない。

 

 

ゆったりのんびり散歩が楽しめる。

 

 

ベンチでも休める。

 

 

それはさておき、ここを見終わったら、それなりに疲れるのではないか。

 

 

そのまま帰宅してもいいし、馬橋駅から流山線に乗って、近郊ローカル線の旅を味わうもよし。だ。

 

 

なかなか歴史が、と申し上げたが、1935年に廣池氏が前身の私塾「道徳科学専攻塾」を開いたのが発祥。

 

 

道徳科学と聞くと、何やらなんというか、哲学的というかなんというか、いろいろな意味で言い辛い系統の学校を想像してしまうが、1944年に東亜外事学校にとなった。

 

 

 

今でいう外語大だ。

 

 

戦後は米独中と需要の多そうな外国語教育に力を入れ、国際系学部を充実。

 

 

さらに最近はデータサイエンスにも力を入れている。

 

 

なかなかキャッチ―な経営戦略だ。

 

 

少子化の流れも何のそので、2024年には工学部と経営学部を作って、文理にまたがる総合大学に発展するという。

 

 

 

  交通メモ

 

場所: 千葉県柏市光が丘

日比谷駅から地下鉄千代田線で北へ25分。南柏駅で下車。徒歩15分ぐらいで北口に到着。そのまま取手駅まで行って、バスで東京芸大取手キャンパスに転戦するチョイスもあり。利根川の流れに癒される。

 

■番外・鳥取市役所(鳥取市幸町) 

 

2019年に出来たばかりの真新しい庁舎だ。

 

 

 

 

遠くから見ると流行りの木材活用デザインに見えるのだが近づいてみるとどうも違う。 

 

 

 

低層階の横張り茶色素材はタイルだったし、中高層階のタテ張り素材ははっきりとはわからないが樹脂かタイルかという感じがする。 

 

 

 

広場とか屋外通路とかオープンスペースをちりばめて市民に開かれたり交流を誘発したりとかそういった流行りをきっちり取り入れた。 

 

 

 

設計は久米設計。 

 

 

 

ちなみに取り壊されてしまった旧庁舎は孤独のグルメ(原作漫画の方)にも登場した。職員食堂の名物「スラーメン(素ラーメン)」の回だ。 

 

 

 

残念ながら新庁舎では食べることができないそうだ。 

 

 

あとはまあ、郵便ポストが輝いている。 

 

 

JRの高架の撮影ポイントにも? 

 

 

 

  交通メモ 

 

鳥取市役所 

 

住所: 鳥取市幸町 

 

JR鳥取駅南口すぐそば。その南にイオンがある。というと賑わっているエリアであるかのように思われるが、鳥取の中心街は駅北口だ。いや別に賑わっていないわけではないが。ま、砂丘ですよ砂丘。鳥取観光は。 

■龍谷大学・大宮キャンパス(京都市下京区大工町)

 

京都の大学のツートップとして、同志社大と龍谷大を挙げたいと思う。

 

 

同志社大今出川キャンパスは、国指定重要文化財に指定された純洋風の明治レンガ建築の校舎がずらりと並ぶ。

 

一方の龍谷大大宮キャンパスは、擬洋風の明治建築がずらりと並ぶ。国指定重要文化財にも指定されている。互角だ。

 

 

まずは1879年(明治12年)竣工の本館(旧講堂)。重要文化財。日本の大工が伝統工法を使い、見よう見まねで洋館(っぽい)建物に仕上げたものが擬洋風建築だ。

 

 

廃仏毀釈の嵐が吹き荒れる中、宗門の近代化による生き残りを目指した浄土真宗西本願寺。僧侶育成にも西欧的な近代システムを取り入れようと作られたのがこの学校だ。

 

 

というわけで校舎も洋風。だが、その当時の日本にはまだヨーロッパ建築の専門家はいなかったため、擬洋風になったというわけだ。

 

 

というわけで、一見石造だが、実は木造石板貼り付け。

 

 

アーチ窓も、火灯窓に感じる。

 

 

本館を囲むのが北黌と南黌。やはり重要文化財で、1879年竣工。白壁とアーチ型窓が優雅だ。

 

元々は学寮として作られたが、現在は校舎。

 

 

中はかなりピカピカ。明治の建物とは思えない。

 

というのも、1992年から5年間をかけて全面解体修復を行ったから。本館は曳家で上物を引きはがし、基礎からやり直したそうだ。

 

西學は、雰囲気を合わせた現代建築。それほど違和感なく溶け込んでいる。

 

 

東學も同じ。日建設計で2018年。一番新しい建物だが、やはりデザインは踏襲型。

 

ちょっと離れたところの図書館。2006年こちらも日建。まあ、和風(寺院風)アレンジの図書館だな。

 

 

 

  交通メモ

 

 

龍谷大学・大宮キャンパス

 

住所: 京都市下京区大工町

 

京都駅から徒歩20分。バスでもいいが、ぶらぶら歩くのが観光客スタイル。観光地というより、地方中核都市としての顔を見ることができると思う。西本願寺から徒歩5分でもある。

■龍谷大学・瀬田キャンパス(滋賀県大津市瀬田大江町)

 

理工学部と農学部が入居する理系キャンパス。現時点では社会学部もあるのだが、こちらは間もなく深草キャンパス(京都)に移転する。

 

 

滋賀県と大津市の誘致を受け、琵琶湖南岸の文化都市ゾーンの核施設の一つとして、1989年に開設された。

 

緑に囲まれた27万平米の敷地に、日建設計による校舎群がゆったりと展開している。

 

 

ちなみにこのエリア、滋賀県立医科大学や県立図書館、県立近代美術館に立命館大びわこ・くさつキャンパスなどもあるのだが、それぞれの施設がかなり離れているうえに、公共交通網、つまりバスによる横の連絡がいまいちということもあり、「ゾーン」感はあまりない。

 

 

ま、それはさておき、日建らしい手堅く立派なキャンパス設計。

 

バナー(吊り下げ垂れ幕)による装飾が目立つのは立命館同様。

 

 

最初からそう言う設計だったのか、後付けでディスプレイ会社が入ったのか?

 

 

江戸の香り漂う深草町家キャンパス、明治擬洋風が圧倒してくる大宮、レンガ風タイル張りでなんだか戦後前川建築風+飯田善彦のウルトラ現代風の深草と、龍谷大学はキャンパスごとに全く異なる時代感を(意図しているわけでは丹とは思うけど)打ち出してくるのが特徴だが、そのあたり、瀬田は控えめ。

 

いわゆるポストモダン系だが、わりと控えめな感じ。ほどほど。

 

そんな中で異彩を放つのが、「樹心館」だ。

 

 

龍谷と言えば擬洋風、つまり大宮、という図式が出来ていると思うのだが、瀬田に行って見て驚いた。

 

こんな建物があるなんて。

 

 

いやまあ下調べをしてないだけなんだが、こんな建物があるってことを知ってる人、関係者以外は、あまりいないんじゃないだろうか。まあ、大宮が強烈すぎるってことで。

 

それはさておき、こちらは登録有形文化財。

 

元々は大阪南警察署庁舎で1885年落成。実は自慢の大宮講堂(1887年落成)より、2歳も年上だ。

 

庁舎建て替えに伴い民間への払い下げが決まったところ、大阪の門徒・竹田由松氏が購入して西本願寺に寄付。1908(明治41)年、工費約3万円をかけて龍谷大の隣に移築して図書館に。

 

 

1936(昭和11)年に新図書館が落成すると、またも移築して学友会(OB会)事務所に。さらに西本願寺宗務所として本山そばに移築。

 

 

そして89年、瀬田キャンパス開設にあたり、仏式礼拝堂建設として京都からまたもや移築されて1994年春、落成を迎えたという。

 

とにかくすごい色彩だ。

 

 

それはさておきどうでもいいことだが、龍谷大でググってみたら、瀬田キャンパス図書館の記事が出てきた。

 

89年のキャンパス開設時、図書館に最新鋭の大型汎用コンピュータ(いわゆるオフコン)のIBM3090システムを導入したそうだ。

 

 

正確なお値段は不明だが、ひとつ前のモデルが10億円ぐらい。

 

という化け物マシン3090のメモリーは主記憶128MB、補助記憶48GBだったそうだ。

 

そう考えると、このキャンパスもずいぶん昔の物のように思えてきたり、来なかったり。

 

なにはともあれ、ドームですよ。

 

 

 

  交通メモ

 

龍谷大学・瀬田キャンパス

 

住所: 滋賀県大津市瀬田大江町

 

JR瀬田駅から直通バスで7分。お隣立命館は、いったん瀬田駅に戻って立命館行バスに乗ることになる。滋賀大石山キャンパスと滋賀県立医大もそれなりに近くだが、やはりいったん駅に戻らないと移動できない。

 

 

■東京外国語大学(国立・東京都府中市朝日町)
 

最初はパッとしないキャンパスだと思ったが、見て回って、そして帰ろうという時には結構、いや、かなり好きになっていた。

 

 

JR武蔵境で西武多摩川線に乗り換え、多磨駅で降りる。さらに徒歩五分。

 

多摩川線という短い路線、なかなか年季の入った車両で運行されている。

 

 

が、本数は意外に多い。意外にスムーズにキャンパスまでたどり着くことが出来るだろう。

 

 

この大学、もともとの由来は東大と同根で、日本でも最古参の大学の一つだ。

 

とはいえ、現キャンパスは久米設計などを中心にしたJVにより2000年に竣工したばかり。駒込と王子の間ぐらいにあった旧・西ヶ原キャンパスから移転してきたものなので、歴史的な建物はない。

 

 

留学生もたくさん歩いていいて、異国の言葉がそこかしこから聞こえてくる。

 

日本では類を見ないキャンパスであるといえるといえばそうなのだが、正直なところ、2000年ぐらいから日本に量産され始めた郊外型アウトレットモールみたい作りだなあ、と思った。

 

外国人(観光客)がいっぱい歩いている、というところも含めて。

入口から少し入ったところに巨大円形広場があって、その縁は回廊になっている。

 

 

回廊は二階建て。上に登ってぐるりと回ると、なかなか景色がいい。

 

 

広場を複数の道が貫いているのだが、どの道も広場の中心点は通らないようになっている。

 

想像だけど、アゴラ(広場)に集う人々の流れをイメージしつつも、軸を外すことで、独立した個人が集まり、そして分かれていくというストーリー性を持たせ、知の中央集権主義には陥らないということをアピールしているのではなかろうか(適当)。

 

 

それはさておき、広場の周辺に色々建物とか通路があるわけだが、とりあえず羅列しておく。

 

 

 

 

小人さんの帽子を大きくしたような大学会館。学生食堂や生協が入っている。

 

 

裏からも見てみる。

 

 

生協へ土産物を物色しに行くと、面白かったのは国旗ステッカー。

 

様々な国の国旗が手のひらに収まる円形ステッカーになっていて、そこに東京外語大と書かれている。外語大らしい、一品だ。

 

円形広場を離れた周辺部にも、庭や小広場が配置されている。

 

 

 

より静かに、ゆっくりと散策が楽しめる。ゆるやかなS字にあしらわれた歩道。悪くない。

 

 

 

さて、それから研究講義棟へ。この大学の中枢部である巨大構造物だ。

 

 

外から見てもデカい。

 

 

中に入ると巨大な吹き抜け。

 

 

 

トップライトから光。

 

 

ますます巨大感がいや増す。

 

 

力こそパワー。 

 

まあそんなこんなで、そろそろ引き上げようか、と思ったところで大学会館の裏手に回ると、いきなり和のしつらえ。

 

 

 

ほほう、留学生にでもアピールしようという試みですか?悪くない。

 

 

引きで写真を撮ろうと、隣のアジア・アフリカ言語文化研究所に向かうと、なんと壁に素敵なモザイクが。

 

 

いやあ素敵な大学ですね!本当にいい!僕はモザイクが大好きなんですよ。モザイクがあれば何だっていいんですね。

 

回廊に戻ると、そこで気が付いた。この回廊、列柱に可憐な花が描かれたタイルがあしらわれている。

 

 

すごくいい。とても素敵なキャンパスですね!お世辞抜きでいい!

 

 

僕はもうね、タイルがあれば何でもいいんですよ。

 

中世ロマネスク様式のキリスト教修道院の回廊の柱は、植物や動物の彫刻で飾られていたという。

 

そんなこんなで、外語大の柱も飾ったのだろうか。

 

それはさておき、気になったのはこの大学の校章だ。

 

 

見た感じ、商業や交通のシンボルで、一橋大の校章でもある「カドゥケウス」に似ている。

 

というか、カドゥケウスを上下さかさまにしたような感じだ。

 

もともと外語大は明治時代、在校生の反対にもかかわらず一橋大(当時は東京高等商業)に吸収され、その10年後、再度独立したという経緯がある。

 

なんで外語大と一橋が?と不思議に思うかもしれない。

 

 

が、昔の外大は「国際理解」や「文化交流」ではなく、ずばり「貿易の実務」を学ぶための学校だったからだ。

 

外語大のHPには校章の由来について、もっともらしい「イイ話」が掲載されていたのだが、本当のところはどうだったのだろうか。

 

学生数は4400人。面積は13万平米。

 

外部の人間の夜間立ち入りと、犬の散歩はNGだ。

 

 

  交通メモ

 

東京外国語大学(国立)

 

住所: 東京都府中市旭町

 

新宿駅から中央線快速で20分。武蔵境駅で多摩川線に乗り換え。5分で多磨駅。さらに徒歩5分。隣の都立武蔵の森公園でぶらぶらしながら調布飛行場の発着を眺めるのもおつなものだ。

 

■番外・安中市役所(群馬県安中市安中)

 

北陸新幹線の安中榛名駅から行くのは困難。信越本線の安中駅からどうぞ。

 

バスで10分、歩いて30分。

 

その市役所は、車道からちらっと見た限りでは、普通の公共施設風。

 

しかし、敷地中にずいっと進んでいくと、なにやら表現派チックな昭和初期モダン建築的な塔屋が見えてくる。

 

 

設計、竣工は不明だが、こういうのは結構好きだ。

 

 

ガラス張りの塔屋の中は、階段室。

 

 

見晴らしも上下して、眺めは上々。

 

 

市役所の裏手には、とてつもなくビビッドで南米のチョウチョみたいな色合いの民家(昔は南下の店舗だった風)が。

 

 

とても美しい・・・。

 

 

行きは駅からのバスできたが、帰りは徒歩にしてみた。

 

途中の商工会館も良かったが、無料公開中の郡代奉行役宅によってみる。

 

 

帰りの電車の時間もあって急いでいたのだが、ちらっと眺めたのが運の尽き?

 

 

受け付けのおじちゃんに「無料だから見ていけ」とキャッチセールスされてしまった。

 

 

しかし、これが良かった。

 

 

和風建築とモダニズムの親和性は良く言われるが、和風建築は明暗の締め上げが強烈なので、むしろレンブラントとかフランドル系とか、そっちとの親和性も感じる。

 

 

 

他にも旧郡役所とか安中教会とか、見どころはたくさん。

 

安中は中山道の宿場町かつ、安中藩の城下町として栄えてきた。

 

 

1893年(明治26年)に信越本線が開通するまでは、さぞかしな栄華を誇っただろうし、安中地域というくくりで見れば、その後も信越本線の沿線エリアとして栄えてきた。

 

 

そんなかつての名残を感じさせるかのように、土蔵がやたらと目立つ。

 

1997年、北陸新幹線の開通に伴って信越本線(碓氷峠区間)が廃線となってからだいぶ経つ。

 

  交通メモ

 

安中市役所(群馬県)

 

場所: 群馬県安中市安中

 

新幹線を降り立ったJR高崎駅で信越本線に乗り換え、列車にゆられること12分。安中駅で下車。徒歩30分か、バスで10分少々で市役所に到着。往復のどちらかは歩いて町並み散策を楽しみたい。別の道を歩いて往復徒歩でもなお良しかも。あとは高崎市内を散策か。レーモンド設計の群馬音楽センターとか。

 

 

 

 

 

 

 

 

■日本大学・郡山キャンパス(福島県郡山市)

 

郡山駅前から時間1-2本程度出ているバスに乗って20分ちょっと。

 

まだまだ「街なか」といえるエリアの川沿いに広がるキャンパスだ。

 

 

工学部と付属高校の共同利用で、総面積は38万平米。地方国立大学のメーンキャンパスよりちょっと狭い、ぐらいな感じだ。

 

建物は、高度成長期風というか、団地風の量産型校舎と、なかなか凝った中枢塔屋の二種類からなる。

 

 

 

 

とはいえ、なぜかは知らないが、日大はどこのキャンパスも、微妙に建物へのこだわりが散見されるのであるが、ここもそう。

 

 

量産型校舎も、何とはなしに品の良さを感じる。窓割のリズムとか。

 

 

かえって、凝った建物のほうにこそ、いささかやりすぎ感を感じてしまう気もする。

 

 

 

 

一番の見どころは図書館だろうか。

 

 

なぜならばモザイク壁画が施されているから。

 

そう、モザイクさえあれば、それでよし、どんなモザイクでもバッチ来い。それが僕の価値判断だ。

 

 

しかしまあ、広々とした余裕のあるキャンパスだ。

 

 

庭園。池の向こうにしつらえたステージ。

 

 

東海大湘南キャンパスをなんとなく思い出してしまった。その縮小版、といった空気感だ。

 

それにしても、郡山は意外にいい建物が多かった。

 

奥羽大は全く期待していなかったが、なんというか、エセ磯崎新風(言い過ぎ)で面白かった。

 

ほかにも県合同庁舎や市公会堂、安積歴史博物館など、洋式建築好きにはこたえられない物件が目白押しだ。