八ヶ岳野宿が消化不良のため、金土でK氏といつもの野営地で野宿することになりました。
気温は比較的高く、焚火台に火を熾し、定番となっている牛すじの煮込みを作っておきました。
酒も入り、K氏が
「あげる」
と手渡してくれたものは、一振りの鍛造ナイフでした。
嬉しい
刃には厚みがあり、鋼の表面は鍛えられた打痕がそのままで、職人の「足助重光」の銘が入れられています。
ストライダーナイフあたりからタクティカルなナイフのハンドル部分にパラシュートコードが巻かれる仕様のナイフを見かけるようになりました。これは異彩を放つ赤い色。緊急時にはほどいて使うこともできそうです。
持ってみた印象はズシリと重く、しかし絶妙なバランスで刃の方に重さが乗る印象。
世の中軽量化至上主義で、いろんなものを軽量化して「軽さこそ正義!」と主張する向きもありますが私の信条としては
良いものには適度な重さが必要
釣り竿でも軽すぎる竿って個人的にはあまり「良い」とは思わないんです。
その適度な重さで大した力も入れずに分厚いアンガスビーフが切れます。
すごい切れ味です。
もらったナイフで切り分けたステーキをプレゼントしてくれたK氏と仲良く半分こします。
欲しかったんだぁ、こんなマタギが持ってるようなナイフが。
何より私のためにオーダーしてくれたのがありがたい。
頑丈で、フルタングで、商品の名前は「バトニングナイフ」とされていますが、僕はバトニングには使用せず、魚の解体や肉を切り分けるなど、ダメージの少ない使用方法で研ぎを繰り返しながら大事に使っていきたいと思います。
上がK氏の広瀬重光。
頼もしい相棒がまたひとつ増えました。