イメージ 1

2009年9月12日、土曜日。
午前中は会議で午後から自分の仕事。

会社のパソコンで仕事をこなしながら、夜からの野宿のことで頭は一杯です。

野宿を思えば思うほど雨足は強くなります。
今回の野宿は前回の野宿で行動を共にした友人T氏と。野宿地をどこにするかメールのやり取りで決めます。
基本的によほどの豪雨で無い限り、野宿は決行です。
雨男ゆえ雨が降って中止、風が吹いたら中止と言っていては、きりが無いのです。

「今回は霞ヶ浦の梶無川に行かない?」


目的はそう、釣りです。
この友人との釣り歴は長く、うん十年前、私が中学時代からにさかのぼります。
渓流やバスフィッシング。糸の結び方やルアーの動かし方を一から教えてくれたのもこのT氏です。

ブラックバス害魚騒動が今ほど盛んではなかった古き良き時代。

さっさと仕事を終えて、土砂降りの夜の高速を走りました。

買い物は茨城のスーパーで現地調達。雨が降っていて外で宴をするかためらわれましたが、肉やビールを買い込みました。時計は夜の11時近くを示し、スーパーは閉店間近。それでも買い物は慣れたもの、手際よく済ませます。

現地に到着する頃は雨は止み、夜の梶無川は静かに流れていました。
イメージ 2

まずは乾杯。
茨城が誇る“ネストビール”の味わいは格別。高いだけあります。
「もっと買っておけば良かったね」
と思うほどうまい。苦味を抑えた“ビールもどき”ばかりがもてはやされる昨今、ちゃんと苦く、正統なビールを造るメーカーには頑張って欲しいものです。
イメージ 3

T氏のMSR“ドラゴンフライ”
とろ火が利くので繊細な料理もできます。轟音を撒き散らして最大火力で燃え盛る私のMSR“XGK”とは大違いです。
イメージ 4

少し厚めのステーキ肉です。
表面をこんがり焼き、中は半生。香ばしい良い匂いが辺りに漂い始めた頃、もう待てんと言わんばかりに塩を振って熱々にかぶりつきます。
…至福

やはりアメリカ産は脂身が少なく、口に合います。
ランプの明かりの下、ビールも弾みます。
その後テントに入り、2次会。柿ピーをポリポリ食べてビールです。

翌朝

近くのスーパー“ベイシア”で遅い朝食
イメージ 5

やはり朝はさっぱり目に。と思いきや横の揚げ物2点が気になります。

イメージ 6

左が私のフィリプソンとビッグバド、隣がT氏のBPロッドとガンディーニ。
過去、本湖のコンディションがいまいちだった時に、梶無川で連続ヒットした甘い思い出があります。
梶無川は魚の気配はたっぷりで、ワームを入れると元気なギルのアタリ多数。期待は膨らみます。
しかし…

「出ない…」

いつもは葦際を狙ってトップを投げれば、数回は反応があるのに。
眠くなってきたので日陰を探し、車内でお昼寝。
一時間後、再びポイントに戻り、本湖、水門、水路を探りました。
アタリなし。

バスが増えすぎて在来種を食い荒らしているなら、もう少し釣れてもいいはず。

夕方が近づき、トップウォータープラグを投げるのもあきらめ、ギルでも釣って楽しもうとスピニングとゲーリーヤマモトに頼ることにしました。
ボウズで帰ることほど切ないものはありません。
さっきまであんなにあったギルのアタリも減ってしまいました。

ギルでもいいから、かかってくれないかな…

“大丈夫、釣ってもヘラのオッサンみたいに残酷に陸に捨てたりしないから…”

そう念じながら、浅い水路を狙っていたその時。

こつん


ようやくアタリが。ハハッ、ギルだと思った瞬間、強い力で竿がしなりました。
バスとは違う、異質の引き。
最初はそのパワフルさに思わず“スモールマウス”を想像しましたが、そのわりには粘着質な引きです。
細い糸だったので暴れるそいつを慎重にいなしながら、手元に徐々に近づけました。
次第に見える銀色の魚体。
そいつは…
イメージ 7

アメリカンナマズでした。
魚体はメタリックでなめらか。日本のナマズよりも、なるほど顔つきが洋風でした。
初めてですので少し感激です。
ほどなく友人が見に来たので見せて、放してやりました。
T氏も大きなギルを釣ったので、とりあえず二人でボウズは免れました。

帰りの車でさっきの感覚を手に思い出しながら
“食ったらもしかしたら旨いかな…”
と、不穏な妄想に浸りました。