外ではいまだに雨音が鳴りやまない。
「沖田さん大丈夫かなぁ…。」
変若水の件から一カ月。まだ心には深い傷が残っているが、今は沖田さんと一緒にいるから徐々に浅くなっている。
あの件のあと、沖田さんは新撰組の元へは戻らず、私とともに生きたいと願ってくれた。それがどうにかなるくらいうれしくて、私は沖田さんとともに生きることを再決意した。
しかし、沖田さんの羅刹衝動は悪化。日々この苦しみに耐えている沖田さんをただ見てるだけしかできなかった私はもどかしくて仕方がなかった。
私は必死にどうにかしようとしているうちに父様の言葉を思い出した。
(私の故郷っ!)
父様が最後に私たちに残して行ってくれた希望。これを頼りにして今日までやってきた。
故郷に向かう道。暗い森。降り出した雨。私たちは急いでいる間に小屋を見つけた。
「少し早いけど、今夜はここで休もう。」
沖田さんはそう言ってやさしく私の手を取り小屋へ向かった。
中は思ったよりも暗くて明りとなりそうなものがあるのかないのかもわからない。
「んー。暗いなぁ。千鶴ちゃん、ちょっと待っててくれる?」
「あ、はい。」
沖田さんは入り口に私を残し、一人中へはいって行った。
ガサゴソと何かをあさる音。そして時々聞こえる「イテッ」という声。
「だ、大丈夫ですか?」
「うん。心配いらないよ。ごめんね、寒いね。もうちょっとだからいい子で待っててね。」
その後沖田さんが戻ってきてくれてまたやさしく私の手を取り暗い小屋の中へ導いてくれた。
「千鶴ちゃん。ここ、ここ座って。」
沖田さんの指したところに座るとふかふかとした感触が伝わってくる。
「あ、お布団…」
「うん。小屋だしあるかなと思ってみたらやっぱりあった。このまま寝てもいいんだけどさ、おなかすいたでしょ?何かないかなって思って探してみたんだけど、さすがになかったみたい。」
「あ、じゃあ私は大丈夫ですし寝ちゃいましょうか」
きゅるるるるるるる
「っ!///」
「クスッ君のおなかはそうは思っていみたいだよ?」
「そんなことありません!」
ぐーきゅるるる
「っ!!!///」
「ぷっあははははは!くくくっしょうがないなぁもう。何かないか探してくるよ」
「いっ!いいですよ!」
「そんなにおなか鳴らして何言ってるの。それにおなか空いてるのは君だけじゃなさそうだ。」
くるるるる
今度は沖田さんのおなかから鳴る。
「ふふふっでも、探すって…」
「小屋だからさ、裏とかになんかあると思うんだよね。だからそこらへん探してみる。」
「じゃあ私も。」
「君はここにいて!」
「でも…」
「いいの。僕が心配しちゃうから。」
「わかりました。では、お願いします。」
「うん。」
そんな会話をして沖田さんが出て行ったのは30分前。
小屋だから裏へまわって食べ物があるかを探すことだけならここまでかからないはず。
雨とともに不安は募る。
(でもここで出て行ってもし沖田さんが帰ってきたら沖田さんに心配かけちゃう…)
さらに時間がたっても沖田さんは帰ってこない。
(沖田さん…)
もし沖田さんが森の獣に襲われてたらどうしよう。事故でも会ってたら…
いやなことばかりが頭に浮かぶ。
(私がおなかなんか鳴らしたからっ)
じわりと涙で視界が揺れた。
ガチャッ
「ただいま千鶴ちゃん。待たせてごめんね…えっ君、なんで泣いてるの?」
「沖田さっ…!!!」
私は思いっきり沖田さんを抱きしめた。
「大丈夫ですか?けがしてないですか?」
「千鶴ちゃん落ち着いて。僕なら大丈夫だよ。…不安にさせちゃったんだね。ごめんね。」
「本当ですよ…もう…っ」
「あぁ!泣かないで!ね?ほら、ここの小屋少し離れたところに畑作ってたみたいなんだ。しかもここは最近あいたみたいだね。結構残りがまだあったからもらってきちゃった。」
「ふふっ」
それから私たちは夕食を食べて布団に寝そべった。
せまい布団。寝転がる2人。
私は緊張して体を固くしていた。
「…。ねぇ千鶴ちゃん。」
「はひ!」
(あーもー!声が裏返った…!)
「ふふっそんな警戒しないでよ。まぁ、警戒しなさすぎるのも困るけどね…。」
「?」
「ううん。なんでもないよ。…千鶴ちゃん。そろそろさ、僕のこと名前で呼んでみない?」
「えっ?」
「いや、なんとなく…何となくそう思っただけだから。…ごめん。やっぱり嘘。君に名前で呼んでもらいたくてたまらない。」
「えっ…」
「だめ?」
「…」
私はたっぷりの間を置いた。
「…ふふっ無理にとは言わないよ。それじゃあおやすみ。」
「…おやすみなさい。総司さん。」
消え入りそうな声。それでも精いっぱい愛しいその名前を呼んだ。
その直後。その響きの余韻が残って恥ずかしい唇が一瞬で熱く包まれた。
「っ!!」
あぁ、これは、吸血衝動に苦しんだあなたが私の手に近付けた唇。
しかし、これはその時のようなためらいはない。そして苦さもない。
ただただ甘いだけの接吻の嵐。
しばらく続いた嵐も少し止み、総司さんが耳元で囁いた。
「~///だめだ。我慢できなかった。愛おしい。君が愛おしくてたまらない。こんなに誰かを好きになったのは初めてなんだ。」
やさしい声。暗闇に少し慣れた目が総司さんの熱っぽい瞳をとらえる。
「私もです。総司さん。今あなたにこうしてもらっていることが何よりもうれしくて泣けてしまいます。」
お互いの視線が交差しあう。
総司さんはそっと私に触れるだけのキス、次は少し深く、その次はもっと…
やわらかな日差し。そして、その日差しに照らされて出来たやわらかな影。
これから先ずっとこの人と一緒に…
そんな事を思いながら私たちは故郷へ再出発した。
「沖田さん大丈夫かなぁ…。」
変若水の件から一カ月。まだ心には深い傷が残っているが、今は沖田さんと一緒にいるから徐々に浅くなっている。
あの件のあと、沖田さんは新撰組の元へは戻らず、私とともに生きたいと願ってくれた。それがどうにかなるくらいうれしくて、私は沖田さんとともに生きることを再決意した。
しかし、沖田さんの羅刹衝動は悪化。日々この苦しみに耐えている沖田さんをただ見てるだけしかできなかった私はもどかしくて仕方がなかった。
私は必死にどうにかしようとしているうちに父様の言葉を思い出した。
(私の故郷っ!)
父様が最後に私たちに残して行ってくれた希望。これを頼りにして今日までやってきた。
故郷に向かう道。暗い森。降り出した雨。私たちは急いでいる間に小屋を見つけた。
「少し早いけど、今夜はここで休もう。」
沖田さんはそう言ってやさしく私の手を取り小屋へ向かった。
中は思ったよりも暗くて明りとなりそうなものがあるのかないのかもわからない。
「んー。暗いなぁ。千鶴ちゃん、ちょっと待っててくれる?」
「あ、はい。」
沖田さんは入り口に私を残し、一人中へはいって行った。
ガサゴソと何かをあさる音。そして時々聞こえる「イテッ」という声。
「だ、大丈夫ですか?」
「うん。心配いらないよ。ごめんね、寒いね。もうちょっとだからいい子で待っててね。」
その後沖田さんが戻ってきてくれてまたやさしく私の手を取り暗い小屋の中へ導いてくれた。
「千鶴ちゃん。ここ、ここ座って。」
沖田さんの指したところに座るとふかふかとした感触が伝わってくる。
「あ、お布団…」
「うん。小屋だしあるかなと思ってみたらやっぱりあった。このまま寝てもいいんだけどさ、おなかすいたでしょ?何かないかなって思って探してみたんだけど、さすがになかったみたい。」
「あ、じゃあ私は大丈夫ですし寝ちゃいましょうか」
きゅるるるるるるる
「っ!///」
「クスッ君のおなかはそうは思っていみたいだよ?」
「そんなことありません!」
ぐーきゅるるる
「っ!!!///」
「ぷっあははははは!くくくっしょうがないなぁもう。何かないか探してくるよ」
「いっ!いいですよ!」
「そんなにおなか鳴らして何言ってるの。それにおなか空いてるのは君だけじゃなさそうだ。」
くるるるる
今度は沖田さんのおなかから鳴る。
「ふふふっでも、探すって…」
「小屋だからさ、裏とかになんかあると思うんだよね。だからそこらへん探してみる。」
「じゃあ私も。」
「君はここにいて!」
「でも…」
「いいの。僕が心配しちゃうから。」
「わかりました。では、お願いします。」
「うん。」
そんな会話をして沖田さんが出て行ったのは30分前。
小屋だから裏へまわって食べ物があるかを探すことだけならここまでかからないはず。
雨とともに不安は募る。
(でもここで出て行ってもし沖田さんが帰ってきたら沖田さんに心配かけちゃう…)
さらに時間がたっても沖田さんは帰ってこない。
(沖田さん…)
もし沖田さんが森の獣に襲われてたらどうしよう。事故でも会ってたら…
いやなことばかりが頭に浮かぶ。
(私がおなかなんか鳴らしたからっ)
じわりと涙で視界が揺れた。
ガチャッ
「ただいま千鶴ちゃん。待たせてごめんね…えっ君、なんで泣いてるの?」
「沖田さっ…!!!」
私は思いっきり沖田さんを抱きしめた。
「大丈夫ですか?けがしてないですか?」
「千鶴ちゃん落ち着いて。僕なら大丈夫だよ。…不安にさせちゃったんだね。ごめんね。」
「本当ですよ…もう…っ」
「あぁ!泣かないで!ね?ほら、ここの小屋少し離れたところに畑作ってたみたいなんだ。しかもここは最近あいたみたいだね。結構残りがまだあったからもらってきちゃった。」
「ふふっ」
それから私たちは夕食を食べて布団に寝そべった。
せまい布団。寝転がる2人。
私は緊張して体を固くしていた。
「…。ねぇ千鶴ちゃん。」
「はひ!」
(あーもー!声が裏返った…!)
「ふふっそんな警戒しないでよ。まぁ、警戒しなさすぎるのも困るけどね…。」
「?」
「ううん。なんでもないよ。…千鶴ちゃん。そろそろさ、僕のこと名前で呼んでみない?」
「えっ?」
「いや、なんとなく…何となくそう思っただけだから。…ごめん。やっぱり嘘。君に名前で呼んでもらいたくてたまらない。」
「えっ…」
「だめ?」
「…」
私はたっぷりの間を置いた。
「…ふふっ無理にとは言わないよ。それじゃあおやすみ。」
「…おやすみなさい。総司さん。」
消え入りそうな声。それでも精いっぱい愛しいその名前を呼んだ。
その直後。その響きの余韻が残って恥ずかしい唇が一瞬で熱く包まれた。
「っ!!」
あぁ、これは、吸血衝動に苦しんだあなたが私の手に近付けた唇。
しかし、これはその時のようなためらいはない。そして苦さもない。
ただただ甘いだけの接吻の嵐。
しばらく続いた嵐も少し止み、総司さんが耳元で囁いた。
「~///だめだ。我慢できなかった。愛おしい。君が愛おしくてたまらない。こんなに誰かを好きになったのは初めてなんだ。」
やさしい声。暗闇に少し慣れた目が総司さんの熱っぽい瞳をとらえる。
「私もです。総司さん。今あなたにこうしてもらっていることが何よりもうれしくて泣けてしまいます。」
お互いの視線が交差しあう。
総司さんはそっと私に触れるだけのキス、次は少し深く、その次はもっと…
やわらかな日差し。そして、その日差しに照らされて出来たやわらかな影。
これから先ずっとこの人と一緒に…
そんな事を思いながら私たちは故郷へ再出発した。
ピクシブに投稿してたやつです。
久しぶりに書きました、サボってて申し訳なかったです…(もうちわけない
よかったらピクシブのほうもどうぞ。(いや、っていってもこことピクシブリンクしてるみたいな感じだけどww
