なんだか最近はミラーレス一眼を買いそうな心模様。それが先々を見据えた正しい判断なのか、我が長年の悪癖たる一過性の物欲なのは我ながら判りかねている。
きっかけは、何気なく見ていたYoutubeの某チャンネルで、SIGMA BFなるカメラが紹介されたこと。正直、カメラには余り詳しくないので性能は二の次で、ただただアルミ削り出しのボディの修悦なデザインに一目惚れしたというもの。ただし、その直後にこのカメラがフルサイズセンサーを備えるミラーレス一眼で、40万円に手が届く価格帯の製品であることを知り、購入を決心するまでには至っていない。それでも、その後もYouTubeで関連動画を観ているうちに、よりリーズナブルで気になるカメラを見つけてしまい気持ちは定まりつつある。ただしなおも一過性の物欲に過ぎない可能性は残っている。
還暦と定年を迎えて人生を振り返ったり仕事以外の時間の過ごし方を意識するようになってから、これまでの人生に趣味性や文化的な香りのする経験が足りていないことを感じている。若いうちにバイクの免許を取っておけば良かったとか、何か楽器のひとつでも触っておけば良かった、もっとコンサートや演芸に触れる時間を持てば良かったとの後悔の念とともに、今更何か新しいことを始めるのは手遅れだろうとの諦め感も覚えている感じ。若い頃と違って時間的にも経済的にも余裕ができてきた今だからこそ、かつては封印していた欲望が今になって沸々と湧いているということかも知れない。
さて、この手のシニアの悩みの最大の問題は焦りと手遅れ感かなと思う。若い頃とは違い体や頭のいろいろなパーツの劣化が進んでいるのは確かだけど、若い頃の時間の過ごし方を後悔しつつ、これからも何もしないまま長生きしちゃったら先々どんどん辛くなるのだろうなと思う。「今日の自分が残りの人生のうちで一番若い」と思うと、シニア向けのおもちゃが直ぐにでも欲しい。
せめて文化の香りがする趣味を始めようという発想に立つと、カメラというのはなかなか良い着目点だと思う。今までならスマホで撮影していた場面で今後はカメラを構えるだけだし、絵画や書とは違って成果品はデジタルで残るだけなので保管や処分の面で後世に迷惑をかけずに済む。いずれカメラを遺すことになっても中古市場に処分できるであろうし。これまで意識していなかったf値やシャッタースピードのことを勉強して、可愛い愛猫の仕草を撮り貯めるのも良いのではないかな。
ここまでの決心に至ったものの、カメラの機材選定でまた揺れている。
これからの人生を豊かにしてくれるデバイスと思うと良い物が欲しいけど、大きなカメラバッグを抱えて撮影旅行に行きたいわけではなく、これまでと変わらない日常にそっと加わる程度の存在感であるのが理想。ただしポケットに入るコンデジだとスマホと大差無い気もするので、一眼が良いかな。この一連の検討の切っ掛けになったSIGMA BFに掛けて、予算は40万円、ヘソクリから捻出するので、
さて、若者世代のカメラ好きのひとりである我が息子君は大学に通っていたころからカメラに嵌り、確かNikon派で中古の機種を調達してやり繰りしているみたい。私後発の私が財力にモノを言わせて同じメーカーの上位機種を購入してしまうというのは印象が悪いのでNikonはパスするとして、持ち出し易いコンパクトな製品でデザイン的にトキメキを感じさせてくれる機種を探した結果、いまのところSonyのα7cllが本命。APS-C機のα6700の中古にして予算を絞り、カメラの他にMacBookも揃えた方が豊かになれるかしら、同じAPS-CでもVLOGが得意な機種にして愛猫のどうっがを取り貯めるというアイデアもある。
どうせ購入するとしても帰国してからの話。まだ暫くはモノ選びを楽しみます。