2025年8月、9月の一時帰国のできごと、有田焼調達ツアー編。
海外出張先では市街地から離れた場所にあるアパートで一人暮らし。食事は専ら自炊しており、平日昼間は自作のお弁当を持参。この生活も間も無く3年目を迎える。
アパートのキッチンには冷蔵庫も電子レンジもガスコンロやガスのグリルも揃っているし、日本から海外用の炊飯ジャーを持ってきてもいるので料理に困ることは無い。そもそも、アパートの台所周りの設備に不満を覚えるほどに私の料理のレベルは高くないし、料理のレパートリーは広くはない。
とは言いつつも、ストレスなく料理したいがために、日本から持ち込んでいるこだわりの調理具も次第に増えてきた。
鉄製フライパン(日本製):こびりつかない、コーティングも無く健康上安心。
玉子焼き器:お弁当用厚焼卵の作り置きに大活躍。
無印良品のおたま、シリコンのヘラ、ターナー:微妙な角度と大きさが肝。
包丁:日本の所謂三徳包丁、日本人の手に馴染む。
ニトリのピーラー:地味だけど大事。
ダイソーのブンブンチョッパー:S&Bの赤缶カレーを作る時の玉ねぎ粉砕用。
カルディのコーヒードリッパーとハリオのコーヒードリッパー用シャワー:違いが判る男のひとときに。
Coco壱番屋のくじで当たったカレースプーン:大きさとかーぶが秀逸。実は2本持ってる。
など。くだらない物も含めて、ストレス回避にとても役に立っている。
最近は奥さんに蒸し料理を推奨されて、無印良品の蒸籠を頂戴してきた。
一方、コップや食器はアパートを撤去する際に捨てることを想定して、100均で購入したプラ製品を長く愛用してきた。
ラーメン鉢もお茶碗も汁椀もプラスチック。お皿はアパート近くのホームセンターで売っていたシリコン製の安物、といった感じ。
コーヒー好きなので流石にマグカップだけは陶器のものを持ってきた。といっても積極的にセレクトしたものでは無く、母から貰ったお茶屋さんの福袋に入っていたモノ。余りに渋いデザインのため自宅の食器棚に並べられずにいたものを、最後には現地で捨てる前提でスーツケースに入れてきたという次第。
さて、プラの食器。雑に扱っても壊れない利点はあるものの、長いことそれだけを使っていたら、あるとき急に食卓が酷く侘しく寂しく感じた。食事に潤いやワクワク感がない。
その時は近所の薬局兼雑貨屋さんに行って陶器の皿を1枚買ってきて凌いだのだけれども、抜本的な改善を図りたい気持ちが日々大きくなっていった。出張先で食器を買い揃えることもできるけども商品の多くはC国からの輸入品なので釉薬に変なものが含まれている気がして、日本に帰国した際に奮発して調達しようと考えた。
そのお買い物の第1弾として、前回の帰国時に名古屋まで行ってノリタケのマグを調達した。アパートにノリタケのマグを迎えたことによる脱“侘しさ感“の効果は絶大で、次はお買い物第2弾としてアパートでの出番の多いラーメン鉢、シリアルボウル、カレー皿の良いものを揃えたくなったという訳。個人的には磁器よりは陶器が好み。折角ならば合羽橋などの食器店で探すのではなくて産地まで行ってみよう、有名な有田焼か伊万里焼の地元を訪ねればきっと良い出会いがあるだろうと見込んで、前回出張中の7月頃、玄界灘で有名なイカの活き造りを食べたいので福岡空港着発、宿泊先は有田町や伊万里町にほど近く日本三大美肌の湯と呼ばれる佐賀県嬉野温泉、時期は次回渡航前の最後の週末にあたる9月21日、22日という旅行の骨格が決まった。
そして帰国後の9月21日、佐賀旅行のその日。なんたる幸運か、福岡在住で普段は仕事で全国を飛び回っている息子君が、この日の現場は偶然にも同じ佐賀県内だと云う。そこで佐賀県で夕飯を一緒にする話となり、更に奥さんも福岡から電車で駆けつけてくれることになったもので、佐賀旅行の最大のイベントが食器の買い出しから親子4人食事会へと昇格した。昨年にも私と息子君の沖縄出張が重なり国際通りで飯を食う機会もあったりして、偶然の強運に感謝しかない。
当日は昼過ぎに福岡空港に到着し、レンタカーで佐賀に向けて移動を開始した直後から大雨に見舞われた。旅行の骨格を抑えつつも詳細はノープランだったもので、雨の中で昼食場所を探すこともままならず、高速道路のPAで空腹に負けて博多ラーメンを食べたところこれが正解、満足の味だった。ただし空腹のあまり炒飯も頼んだせいで、屋外の店舗に並んでいた美味しそうな品々の食べ歩きは断念する羽目になってしまった。
1日目は嬉野温泉のホテルにチェックインした後、佐賀市内に戻り息子君夫妻と合流してしゃぶしゃぶの晩餐会。嬉しい時間を過ごせた。シニアの気ままな旅行に付き合ってくれてありがとう。
2日目は嬉野温泉のホテル周辺の散策からスタート。
嬉野温泉のことは今回調べるまで正直知らなかった。有田町に近いことで選んだのだけれども、行ってみたら居心地の良い風景が広がっていた。西九州新幹線の駅もあり、知名度が高まれば人気が爆上がりしそう。
ホテルの大浴場があった最上階からの眺望。
ホテル近くの「シーボルトの湯」公衆浴場。身近に温泉を楽しめる地元の方が羨ましい。
猫にも会えた
橋の上から、今回お世話になったホテルとシーボルトの湯を臨んだところ
さて、こちらはアリタセラで遅めの朝食をいただいたところ。数日前に健康診断を終えたこともあり、シナモンロールとアンバタークロワッサンというハイカロリーの組み合わせを躊躇なく選んだ。それは兎も角、このお皿とマグの組み合わせにときめいたので、プラ製の食器から有田焼に置き換えるのは正解であると確信した。
奥さんはチーズ系のパンと紅茶。こちらの器とお皿も素敵で思わず声が出た。
無事にお目当ての食器を買い込み、有名な神社に参拝した。表通りから境内までの間に線路を挟む立地にもびっくり。
借りたレンタカーの非力ぶりに手を焼きつつも、佐賀県を走り回って念願のイカの活き造りにも辿り着いた。
年齢的にも断捨離を意識しなくちゃと判っているつもりだけれど、幾つになっても心を躍らせる何かとの出会いはときめきます。










