我が家の庭に柿の木がある。
正確には、我が家は義両親の土地に建つ2世帯住宅であり、柿の木も、柿の木が植えられている土地も義両親のもの。つまりは妻の実家の柿の木のこと。
私が知る限り結婚前から実家のシンボルになっていたので、25年前には既に立派な成木だった。ひょっとすると樹齢50年位は経っているのかもしれない。
毎年、秋には小さな甘い柿の実が成る。だけど、その多くは高枝切挟みでも届かない高い枝に実るため、収穫できないまま、秋が深まるまでの間の鳥のごはんになっている実も沢山ある。
また、10年前に2世帯住宅を建てた時に…この建物はハウスメーカーによる軽量鉄骨住宅であって、つまりは工場でプレハブしたユニットをトラックで搬入してクレーンで据え付ける工法であったため…道路に面している柿の木はクレーン作業に支障しないように大胆に枝をカットされた経緯がある。さらに数年前には、プロの植木屋さんに頼んで枝を剪定し、姿をひとまわり小さくした。それから数年が経過し、新しい枝が茂り、昨秋も鳥たちに甘みと栄養を提供していた。
年月が経過したのは柿の木だけではなく、義両親もすっかり高齢者の仲間入りをした。
柿の木は実が色づく頃には沢山の葉を落とす。落ちた葉は風に舞って家の前の道路に散乱してご近所迷惑になってしまう。
高齢の義母には毎日の落ち葉掃除が大変。妻も手伝っていたけれども、柿の木の維持が大きな負担になってきた。というわけで、義両親に代わり枝の伐採を決行。
若い頃は木登りが得意だった私も、寄る年波と増えた体重、落ちた筋力と運動神経により柿の木に登るのは正直怖い。長い棒の先にのこぎりを固定して高枝切りのこぎりの製作を企図していたところ、ホームセンターで高枝切挟みにのこごりが装着できるタイプの商品を発見、早速購入して3mの柄を延ばして柿の木の枝を次々に剪定した。
すっかり小さくなってしまった柿の木に罪悪感を感じるけれども、今年の春には、黄緑色に輝く新緑が観られる見込み。秋の落ち葉掃除が緩和されるならば剪定も必要だし。さすがにシンボルツリーゆえ、根こそぎというわけには参りませんしね。