赤口は、陰陽道の赤舌日と赤口日が混ざって凶日として六曜に仲間入りした。
また、「赤」がつくため、火や刃物に気をつけなければならない日。
つまり、狩野派絵師たちが描いた妖怪の赤口は、六曜の赤口を具現化したものか?!(←妖怪研究家の多田克己先生の考察)
〈赤舌日とは〉
木星の西門を支配する赤舌神が司る日。
門を交代で守る配下の六鬼のうち、3番目の羅刹神は人々を威嚇する存在であるため、この日は訴訟や契約は避けるべき。
〈赤口日とは〉
木星の東門を支配する赤口神が司る日。
門を交代で守る配下の八大鬼のうち、4番目の八獄卒神は人々の弁舌を妨害する存在であるため、この日は訴訟や契約は避けるべき。
多田克己先生、妖怪探訪家の村上健司先生の考察![]()
「赤」は「淦(船の底にたまる水)」、「垢」に通じることから汚れを比喩している。
「舌」は「下(心の奥の意味)」や、「舌は禍の門(口は禍のもと)」に通じる。
上記の言霊と、赤舌神の知識をふまえ、赤舌は人々を威嚇する羅刹神の一種ではないか?!
つまり、赤舌の口が開いてる限りは吉事に恵まれないということを意味している。
水木しげる先生の考察![]()
赤舌の口と水門(石燕先生の絵に描かれている)は対であり、その禍のもとである口や水門が開いているということは、万事に対して凶ということを示している。
つまり、赤舌は禍をもたらす神。
山田野里夫先生の解説![]()
『東北怪談の旅』より
青森県津軽地方。
村どうしの水のいざこざがあったが、
赤舌が水門を開けたことでそのいざこざが解決された。
河童に似ているが頭に皿はなく、体は赤く、いつも口から赤い舌をだしている。
(山田先生は、鳥山石燕の描いた赤舌と、実際にあったトラブルの話を結びつけて上記の怪談をしたてたのではないかと言われている)
まとめ![]()
赤舌が何をする妖怪なのかは、
鳥山石燕先生のみぞ知る?!(石燕先生ももしかしたら知らなかったかも?)
赤舌こそが、
妖怪研究の面白さを具現化してるne!
参考文献




