今日はとっても良い本を皆さんにご紹介します。

海と月社さんから出ている「わたしはオオカミ」という本
書いたのは、元女子サッカーアメリカ代表の
アビー・ワンバックさん。

 

 

 


2020年まで国際試合で世界最多得点記録保持者で、
引退してからは、女性の権利、平等、活躍のための
活動を開始したそうです。

この本は、ネットなどで
大きな話題になったバーナード大学の卒業生の祝辞のための
スピーチに肉付けしたもの。

バーナード大学の祝辞はこれまでオバマ元大統領や
ヒラリー・クリントン、フェイスブックの
最高失効責任者のシェリル・サンドバーグなど
錚々たるメンバーが担当していて、
頼まれること自体が大きな名誉なんですね。

それで、この本がとってもよかったので
ご紹介させてください。

アビーのこの本での主張は
「一緒に世の中を変えるために
行動を起こそう」ということ。

今大きな注目をあびている、フェミニズムの本です。

フェミニズムの本って
女性は、今まで自分の身に起こっていた
理不尽は、自分のせいじゃなくて、女性差別だったんだ
って、気付ける。まずはきづくところから。

そして男性は女性と男性では、
同じ世界に住んでいるにも関わらず
待遇がどんなに違うか、気付けるはず。

当事者の女性が気づいてないのに男性が
気付けるわけない。今まだ気づいて声をあげる
フェ―ズ。そこから世の中が変わるためには
まだまだ時間がかかると思うけど、
思った以上に世の中が変わるのは早いから
私はまだまだと思っていても、意外と
新しい未来ってすぐそこなのかもしれないです。

この本、まずはアビーがリーダーシップの
講演会を依頼されるエピソードから始まるのだけど、
アビーは企業でリーダーシップの講演会を頼まれて
「悪いけど、話す内容は男にも通用するものに
してくださいね」
て言われたそうです。

そこで、アビーは「男性の講演者にも、
女性に通用する内容かどうか確認しているんですか?」

って答えたそうです。

女性は、ずっと男性の視点で語られた内容を
自分で吸収する時に、自分に置き換えてきたんですよね。

ただ、この本はもっと女性に有利な社会を、
という本ではなくて、全てのジェンダーを持つ人が
そのジェンダーが理由で不自由を強いられないこと。

この本は、というかフェミニズムの主張の本質はそこです。
今の社会がところどころ、というかかなり、
男性有利になっているので、その点をもう少し
バランス良く調整しましょうね、と。

この本で出てくるアビーのエピソードに
アビーがとても大きな賞をもらったときのことが
書かれています。

 

で、その時アビーは、
NBAのコービー・ブライアントという選手と、
NFLのペイント・マニングという選手と一緒に
表彰台にのぼったのだけれど、その時にはっとしたのが、
同じように十数年間それぞれの競技で同じだけの血と
汗を流してきて、同じように世界レベルの最も注目を
集める退会で優勝したにも関わらず、

同じ表彰台にのぼったアビーにだけ、貯金と自由がなかった。

 

その理由は、男子スポーツと女子スポーツの賞金の差。
男子サッカーのワールドカップ優勝チームの優勝賞金は
40億6600万円で、これは女子サッカーの約19倍。

これに気づいてアビーはこの不公平さと、
その不公平に声を上げなかった自分に腹がたった

言っていました。

これは別にアビーがもっとお金がほしいというわけではなくて、
彼女がこの立場に感謝して納得したら
これからも女子スポーツの賞金は、
少ないまま
だからね。

声をあげると絶対に、反発も受ける。
日本でも同じですよね。

「あいつ、賞金が少ないとか言ってるけど
そうやってごねて、自分が儲かりたいだけだろ?」とか。

 

でも、そうじゃなくて、自分のために戦うことは、
いずれ全ての女性を救うことになる
んです。

女性は、こういう理不尽さえ感謝して
「光栄です」っていうことが
理想のふるまいとされているけど、
そうじゃないよね、感謝なんかしてたら、
不平等を次の世代に渡すだけだよって
アビーは言ってる。

私も、これは本当にそう思う。
自分も問題は自分だけの問題ではなくて
社会の問題だったりする。

だからね、誰かが怒って声をあげて、
ここに不平等がありますよって
言わないといけない
んだよね。

そしてそれは自尊心がないと出来ない。
自分は今のままではダメだ、自分には
もっと良いものがふさわしいってちゃんと求めること。
これが、世の中を変えていく。

だから、リーダーシップって、人の上にたつことではなく、
自分を大切にして、他の人々にも
自分を大切にするように促すこと
なんだよ、っていうのが
アビーの主張です。

この考えは、すごく素敵ですね。

そして、
革命は同じ信念を持つことから始める。

最後の言葉が私はすごく好きでした。
「魔法はあなた自身の中にある」と
「ともに谷に荒らしを起こし、ゲームを永遠に変えよう」。

 

さらっと読める本なので、

ぜひ読んでみてください。