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国際市場で逢いましょう / 韓国

2014年製作 127分 Hulu

2023年51本目 ☆☆☆☆

幼い頃、朝鮮戦争時の興南撤収作戦による混乱の中、父、そして末の妹と離れ離れになり、母と残された2人の兄妹と共に避難民として釜山で育ったドクス。成長したドクスは父親の代わりに家計を支えるため、西ドイツの炭鉱へ出稼ぎや、ベトナム戦争で民間技術者として働くなど、幾度となく生死の瀬戸際に立たされる。しかし、彼は家族のためにいつも笑顔で必死に激動の時代を生きていく―

 

父親・妹とはぐれて、一家の家長として家族の為に生きてきたドクスの人生を、

時に悲劇的に、時に喜劇的に描いていく。

 暗くなりがちなほど、悲惨な経験を繰り返すが、

長年の親友とのやり取りに、クスっと笑い、

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奥さんとの出会いが、純愛でホッコリさせてくれた。

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フォレストガンプさながらの、有名人との接点も、

良いアクセントになっていた。

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(東方神起の方なんですね。存在感ありました)

 

何か大きな使命感があるのではなく、

長男だから・・・家長だから・・・と自分を犠牲にして、

養っていく姿は、その時代を象徴していて、とてもリアルに感じた。

 

父親がしっかりと家族を守っていたからこそ、

そんな風にならないといけない・・・という気持ちと、

父親と再会した時に、「よくやった」と褒められたい気持ちが、

切なくて、悲しい。

 父親への恋慕が、ファンジョンミン様の表情一つ一つから感じ取れて、

その再会のために、お店を守り続ける姿は、健気で涙を誘った。

 

屋上で遠い目をして、

もう店を売ろうと話し、「年をとりすぎた・・・」

という台詞には、泣けて泣けて仕方なかった。

 いくつになっても、父親は父親、息子は息子で。

代わりに私が、

「あんた、よぉやったで。ほんま、

頑張ったなぁ・・・」

と、頭をなでてあげたい気持ちに駆られた。

 

妹の手を離してしまって、ずっと自分を責め続けていたのも、

痛々しくもありました。

けれど、ああして再会出来たことで、涙腺崩壊。

「どうして、私を置いていったの・・・」って英語で話す妹に、

「ちゃうねん!!あれは、ドクスが悪いワケじゃない!」って言ってあげたかった。

ドクス自身も小さかったのに、それよりも小さい子の責任を持つだなんて・・・

でも、そういう時代だったんですよね。

 

ドクスの子供・孫を通して、

時代が移り変わっている事が、とてもリアルに感じて。

(ドクス、子供何人なん?笑)

 

こうして頑張ってくれた先代がいるからこそ、

今の生活があるんだなぁ・・・と感じた。

 

そして、夫婦の関係も。

可愛いじいちゃん・ばあちゃんではなく、

それなりの冷めた感じなのも、凄く良くて(笑)

だから、最後の2人の言葉は余計に沁みました。

 

「どうして結婚したんだ?」

「愛しているから」

「ウソでもうれしい」

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(チャン・ヨンナム様 ラ・ミラン様出てきて嬉しい)

 

正直、じーちゃんばーちゃんメイクは、

違和感アリアリだったけど、

そんな事も気にならず、泣けた。

 がむしゃらに家族の為に生きてきたドクスは、

おじいちゃんになったけれど、

心は父親を慕う、息子で。

 どんな気持ちで生きてきたのかと思うと、

ドクスと、その人生を、

ギュッと抱きしめて、「お疲れ様」と言いたくなる、

そんな作品だ。