【韓国映画】名もなき野良犬の輪舞 ネタバレ感想 アンタッチャブルな領域 | ROUTE8787 サンサクキロク

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名もなき野良犬の輪舞 / 韓国

2016年製作 120分 Hulu

2023年47本目 ☆☆☆☆

犯罪組織でナンバー1に成り上がるという野望を持つ受刑者のジェホ(ソル・ギョング)は、刑務所へ入所してきた野心的な新入りヒョンス(イム・シワン)と出会う。ジェホはこれまでの人生で一度も他人を信じたことはなかったが、ヒョンスが奇襲からジェホを救って以降、二人はお互いに信頼しあい、一緒に働くことを誓う。出所後、彼らはチームを組んで犯罪組織を乗っ取ろうとするが、次第にそれぞれの秘めた動機が現れ始める。彼らの信頼の下に潜む真実が姿を現すとき、二人の関係は哀しきものへと変わっていく。

 

いや~・・・・

いいね。いいね。

こんな感じ、大好物ですね。

 

イム・シワン様・・・ミセンしか観た事なかったけど、

もう、本当に、こんなにも美しい方だったんですね。

 

刑務所の中で、ひときわ目につく、美しい青年っていうのが、

ピッタリで!

 この着痩せ感が、イメージ通りなワケですよ。

このキャスティングが、この作品の勝利と言っても過言ではない。

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正直、ジェホ役をやってのける俳優さんは、

山ほど思い浮かぶけど、

ヒョンスの役は、イム・シワン様しかハマらないと思う。

 あと考えられるとしたら、チョン・ヘイン様かなぁ。

(チョン・ヘイン様でも面白かったかも)

 

まぁ、しかしよ。

潜入捜査って、韓国ノワールのあるあるだけどさ、

ハッキリ言って、割に合うわけ???と思っちゃう。

潜入捜査の為に、ヒョンスも3年刑務所に入るワケよ。

これって、労働基準法とか引っかからんのか?とか

この期間の給料とか、どうなってんの??って思うし。

 むちゃくちゃ危険手当とかつくよね。

正直、この仕事さえすれば、一生分の給料貰えます!っていうなら、

潜入捜査もするかもだけど、

まさか、使命感・愛国心だけで、こんな事出来ちゃうワケ???

 

・・・・ありえんだろう・・・

…って思ってると、「工作 黒金星と呼ばれた男」って映画は、

実話だっていうしさ~。

 

そして、潜入捜査させる上司って、

どうして揃いも揃って、こんなに悪い人間なんだ・・・・

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(でも、チョン・ヘジン様は好き)

 

マジで、自分が行けヨ!!って思っちゃう。

 

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何気にキム・ヒウォン様イ・ギョンヨン様が出ていて嬉しい

 

ジェホ役は他の俳優さんでもやれる・・・・とは書きましたが、

ソル・ギョング様の演技は、文句なしで素晴らしかったです。

 誰も信じない男が、スヒョンという人間に心惹かれていく様が、

繊細に描かれています。

 この世界で、一人で生きてきたジェホが、

最終的に一人の男に踊らされてしまう滑稽さも、見ものでした。

 

 人を信じないと言ったジェホが盲目的にスヒョンを信じ、

甥っ子を殺してしまう所は、甥っ子に同情そして共感。

一緒に、「目を覚ませ!!」って声を掛けたくなったほど。

 

 スヒョンが警官だと知っていながら、仲間に引き込もうとして、

大きな過ちを犯してしまったジェホ。

 スヒョンの真っすぐな瞳で、

「ヒョン、俺は刑事なんだ」と告白するシーンは、

素晴らしかった!!

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 スヒョンの純粋無垢で、美しい心を垣間見たジェホの、

呆気にとられた表情。

 この瞬間から、最後のその瞬間まで、

自分の犯した最大の罪を、後悔し続ける事になる。

 

人を信じない自分を、これほどまでに信じる人間に出会った事のないジェホにとって、

スヒョンの存在は、何としてでも守りたい聖域になっていくんですよね。

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 このまま、何も明るみにならず、

一緒に生きていきたい。

 そんな想いは、完全にジェホを感情的にさせ、

冷静な判断を奪っていく。

 愛に狂った男のよう・・・・・。

 

最後の段階で、スヒョンはジェホの大きな罪を知ってしまうんだけど。

もうね・・・・

素晴らしいんですよ、シワン様の演技がさ。

 

ジェホの言った言葉が、強烈に蘇ってくる皮肉さ。

「誰も信じるな。状況を信じろ」

 

ジェホの息の根を止めながら、流れる涙の理由も分かるし、

人の心を弄んだ上司を殺した気持ちも分かる。

そして、「最初に殺しておけば良かったんだ」のジェホの言葉が、

空しく響き渡るんですよね。

 

そうしていれば、この感情の苦しみなんて無かっただろうに。

 

ジェホは最後、意識がなくなりそうになりながら、

涙を流すスヒョンを観て、

彼の純粋さに息をのんだ瞬間を思い出したはず。

 そんな美しいもの出会った事は、彼にとって、

最大の悲劇であり、最大の喜びだったのだ。

 

ジェホにとって、スヒョンは、

「アンタッチャブル」の領域だった。

 汚れたジョホが触れてはいけない、

孤高の人だった。

 

そう!この作品は、

ブロマンスでもなく、

ブラザーフッドでもなく、

ジェホが、触れてはいけない領域と分かっていながら、

その魅力に我慢しきれず、入っていってしまった!!悲劇

・・・のお話なんですね。

 

 その辺りを、しっかり納得出来る孤高の人を演じた、

イム・シワン様の大勝利!!という事でしょう。

 

 

でもね・・・・

一つ、私が言いたいのはね。

 

あの、画像ね・・・・。

オモニを殺しちゃう所ね。

 あれ、わざわざさ、死んでるのか確認するかしら???

証拠残しにいくようなモンでしょ?

しっかり録画されてるってのがさ!!

なんか、ワザとらしいよね。

もっと、スマートな種明かしの方法はなかったのかしら。

 

ともあれ、イム・シワン様の

暴力的なのに美しい過ぎるというアンタッチャブルな演技を、

観るだけでも、価値ありです!

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紫のスーツが、死ぬほど似合ってる・・・・好き。