【韓ドラ】遠見には緑の春④ ジュン目線で共感した理由 | ROUTE8787 サンサクキロク

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金持ちの経験はありません。

お陰様で、私は看護師になる事で、

貧乏を脱しましたが。

正直、

その貧乏臭というものは、簡単には拭えません。

 

けれど、何故、

ジュン目線で共感したのかというと、

高校時代の友人との付き合いが、ありありと思い出されたからなんですね。

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高校で出来た友人・Y子

もう、この子が、

ずーーーーっと笑顔みたいな子で、

常にテンション高くて。

ジュンのように、お金をバラまくって事もないんですけど、

肌も白くて、黒髪が綺麗で長くて、

吹奏楽部所属で、天真爛漫って感じが、

もう、品の良い家庭育ちなんやろな・・・と。

 

高校生の私は、読書や映画という趣味を通して得た友人がいたんですけど、

このY子が、誰にでも、馴れ馴れしい・・・

というかフレンドリーで、

私も、すっかり仲良くなったんです。

 

もう心の中では、

スヒョンがジュンを見る時みたいな感情ですよ。

そこまで酷くはないけど、

「幸せそう・・・・お金ありそう・・・・

悩みなさそう・・・・」って指差し

 

でも、1度、Y子の家に遊びに行ったんですよ。

 

したら、ホント、

見た事ないくらいの豪邸やったんです。

こう、フローリングとかじゃなくて、

大理石??みたいな。

 

でも、これが、驚くことに、

生活感の全くない家だったんです。

がらーーーーんとしてるんです。家なのに!

 

お昼間だったし、電気もあっただろうに、

薄暗い雰囲気だったのを覚えてるんですね。

 

  ウチは狭い上に家族が6人だったので、

常にうるさい環境だったから、

余計に、その違いに、ここは一体何なん??と

密かに衝撃を受けた記憶があります。

 

そして、お昼ご飯を食べたんですけど。

正直、お金持ちの家の食事なので、

テンションあがりますよね。

もう、ゴクリの生唾レベルですてへぺろ

 

でもね。

Y子が出してくれたのは、

茹でたパスタに、市販の缶のミートソースをかけたヤツだったんです。

 

ウチは貧乏でも、1年に1回くらいミートソースパスタが食卓にあがったんです。

それは、缶のミートソースなんですけど、

水で相当伸ばして、

量を多くして作ってたんですが、

その中に野菜を沢山加えて作ってくれてたんです。

(水でマックスまで伸ばして、

調味料と野菜を加えて、

片栗粉でとろみ付け・・・カレーもそうだった)

 

 なので、缶そのままのソースをかけて、

食べた事はなくて。

はじめて食べたんですよ。

これが、もう、本当に、美味しくない。

 

Y子が作ったから、そういうパスタになったのかも知れないので、

たまたまの出来事かも知れないけど。

我が家では、かなり薄めて使うソースを贅沢にかける事

その作業が凄く、手馴れている事が、

容易に、こう想像力を搔き立てたんですよね。

 いつも、こういうお昼なのかな??とかって。

 

その時に、何かが違うぞ・・・・

この家には、何かが足りんぞ??と

何がどうっていうのは分からなかったけど、

妙な感覚だったのを覚えてます。

 

その後も、その家にいても面白くなくて、

早々に家に帰ったのを覚えています。

 なんか、戸惑いが私の中にもあって。

こんな豪邸なのに、なぜ、私のテンションはこんなん上がらないのだ?

そのせいもあってか、非常に居心地が悪かったんですよね。

 

そして、小さな家に帰って、

騒がしい家族に文句を言って、

ホッとしたような感じがしたんですよね。

 

その頃には、映画・読書で鍛えられた人間観察で、

Y子をチェックして、

心配してる自分がいたんですよね。

 あんなに笑ってるのは、

無理してるんじゃ??とか、

悩みがあるんじゃ??とか。

 

自分なりに、

話せるような状況にしてみたりしたけど、

真剣な話になると笑ってごまかして、

本心を聞けないまま、

学校卒業とともに、

疎遠になってしまったんですよね。

私が何か出来るって事もないんですけど、

Y子の本心を知りたいという純粋な気持ちだったんですよね。

 

そういう事はすっかり忘れていたんですけど、

この作品をみて、ジュンと被って、

思い出されました。

 記憶が薄れてはいますけど、

あの時の感じたものの正体は、

逆に、不要なものを削り落されて、

心に残っています。

 

あの時、あの家から感じたのは、

もの凄い孤独だったんですよね。

そして、逆に、私は貧乏だったけど、

孤独ではなかった。

・・・という事なんですね。

Y子がどれほどに、孤独だったかは、

本当の所は分からないけど、

あの時、もしかしたら、Y子自身もその孤独に気付いていなかったのかな・・・と

思うと、ちょっと切なくなりました。

 

 愛に飢えているジュンを見ていると、

そんなY子の事を思い出しました。

 私では無理だったけど、どこかのタイミングで、

本心を言える友情に巡り合えてますように。

そして、幸せになっていますように。

 

お金持ちで笑っていても、

それが全てではないと、あの時感じました。

自分の価値観と、自分の見え方ではない、

別の側面がある事に、気付いたワケです。

 

まぁ、

Y子の心情は分からないままだったんですけど。

その缶ミートソース事件で、強烈に思った事があったんです。

それは、

私は、愛されてる!!

 

・・・という事なんです。

貧乏で、母親は内職一筋で、

一緒に遊んだとかいう記憶は全然ないんですけど。

 お金がない事や、パチンコ行く父親の事で、常にストレスフルの母親は、

恐怖の対象だったし。

テレビで観る「ママ、大好き!」とか

そういうのは、

テレビの中の世界だと思ってたんです。

 

でも、我が家のミートソースは、

きちんと母親が手を加えて、

作ってくれている事は、

当たり前じゃない・・・と思ったんですよね。

野菜を切って加えてくれた・・・その手間は、

愛情がないと出来ない事なんだと。

 

人の愛情の与え方は色々で、

それを愛情と気付けるか、

そのままスルーするかで、

大きく変わるんだな・・・と学びましたね。

 

 自分だけが不幸だと思う狭い視野では、

そういうものを見落としがちなのかも知れません。

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お兄ちゃんの愛情も、

曇った目で見ていなかったら、

ジュンはもっと早く気付いていたのかも

知れません。

 

パク・ジフン様の、

陽と影の演技は本当に上手だったし、

特に、スヒョンが弟を思いやるのを

見つめる羨望の眼差しは、

見事でしたね・・・・。

 満たされない想いが、切なくて苦しくて。

自分が抱えるネガティブな部分をさらけ出すのは、

金持ちであろうとなかろうと

難しい事なんですよね。

 ある決定的な出来事があって、

友情がいきなり成立するワケでもなく、

ある種の、じれったさを感じさせつつ、

ジュンが本心をさらけだしていく様も、

リアルでした。

 

 そして、また別の話になるんですけど、

(あああ・・・・どうしよう貧乏エピソードが止まらない)

年をとって、それなりの生活になると、貧乏話というのは、

笑いを取るのに、最強のエピソードだと気付いて、

けっこう、そういう昔話をしてたんですよね。

 

そしたら、

「もふぁの所は、そんなに貧乏やったけ・・・。

まぁ、確かに、帰宅部で内職の手伝い手伝いって感じやったけどな・笑」

と、私立の高校・大学に進んだ中学校からの友人は答えたんですよ。

「私立」なんて、私にとったら、「金持ち」の象徴だったので、

割と趣味で結ばれた平民(←失礼)の友人だと思っていたので、

少なからず、裏切られた気持ちになったのを覚えてます。

 

 その友人が続けたんですよね。

「でも、ウチも高校から私立やったから、

親はあっちこっちで、借金してくれたみたいで、

肩身狭い想いしてたわ~」

 

そうなんや~・・・・

その実、みんな色んな事を抱えていたんやね。

ウチの母曰く、「貧乏人は借金も出来ひんのや」って事だったけど(笑)

 人それぞれ、様々な悩みがあったんやな~と。

そして、貧乏のレッテルを貼られてる気がしてたけど。

友人は、そんな風に感じてなかった事も、ちょっとビックリしたかな。

 

 青春真っただ中にいる時は、もう、それが全てだったけど、

時が経ち、振り返れば、被害妄想的に大袈裟に、

捉えていたのかも知れないですね。