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天空の結婚式 / イタリア

2021年1月公開 90分 ☆☆☆

2023年23本目 UNEXT 

ベルリンで生活しているアントニオは役者仲間で同性の恋人パオロにプロポーズし、二人は結婚を決意するが双方の親がどういう反応を見せるかが問題だった。パオロはゲイであることを告白して以来母親と確執を抱えており、アントニオはイタリアにいる両親にカミングアウトと結婚の承諾を得るため、パオロを連れて帰郷する。母は息子の決断を歓迎する一方で、村長を務める父は大反対し、アントニオの結婚をめぐり対立した両親は離婚危機に陥ってしまう。

 

チヴィタ・ディ・バニョレージョ

 

が舞台となっていたので、とても楽しみにしてました飛び出すハート

 

【チヴィタ・ディ・バニョレージョ】は、イタリア有数の観光地で、

天空の城ラピュタのモデルになった村だと言われています。

 今では、人口20人の小さな村で、「死にゆく村」と呼ばれています。

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更に幻想的に見える事もあるそうです。

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 私は残念ながら、イタリアに行った時も、

こちらには行かなかったんですよねもやもや

 行けば良かった・・・。

 

そんな素敵な村で繰り広げられる、

ゲイカップルの結婚式を巡るコメディ映画です。

 

主人公アントニオのクリスティアーノ・カッカモ様 

 

・・・がとにかく、カッコイイ!!そして、可愛いチュー

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パートナーのパウロと、ベルリンで同棲中なんですが、

この度、結婚する事になりましたハート

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で、実家であるチヴィタ・ディ・バニョレージョへ

カミングアウト・結婚の報告がてら里帰りしたワケです。

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何故か、カップル2人と、

家の大家、そして、最近女装に目覚めて情緒不安定なドナードという

変なメンバーで帰省(笑)

 

父親は村長さんで、ゲイを敵視。

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母親は、ゲイに理解を示していて、立派な結婚式をあげさせたいと・・・・

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 この母親が、凄く良くって。

息子たちを認めない夫に、

「認めないなら、離婚よ!!」とか言うし、

結婚式も、有名なウェディングプランナーまで雇うワケです。

 

この幻想的で美しい天空の村を舞台にするなら、

もっと、美しい話が良かった・・・・とも思いますが、

 

とても品の良いコメディで、安心して観れます。

品が良いのは、母親の存在が大きいと思います。

凛としていて、息子たちの理解者。

 

韓ドラに出てくるオモニたちとは、

全然違います(笑)

 

そして、終盤が面白い展開です。

 

上差し・・・・というお話なんですけどね。

以下は、重要なネタバレが含まれます。

もし、観たい方は、ご注意下さいね。

でも、そこまで「重要」ネタバレでもないかも・・・・

 後で、こんなしょーもない事を「重要」とか言うな・・・

とか文句言われそう滝汗

でも、この作品の「肝」は、

この最後にあるんですよね・・・・。

私的には。

 

ひらめき電球以下ネタバレですひらめき電球

 

美しい結婚式。

なのに、アントニオをストーカーする女が、

 

「アントニオは私と浮気したのよ!!」とか暴露しちゃうワケなんですポーン

(ホントに浮気しちゃったんだけどね・笑)

 

マジ、この女ムカつく!!!

なんなん?この展開・・・・

こんな美しい舞台での結婚式で、なんやねん!

 

と思った瞬間、

何故か、ミュージカルでみんな歌って踊り出す・・

 

という展開になります。

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もうね。

その瞬間の、高ぶるハッピーな気持ちは、

不思議な感覚でした。

 

いや~・・・・

多分ね。

 

「なんか、めんどくさくなってきたわ・・・

最後は、とにかく歌って踊って、解決!!

それでいいやろ」

 

・・・とアレッサンドロ・ジェノヴェージ監督が、

急にやる気をなくしたんやろうな・・・って感じるんですよ。

 

偏見ではないですけど、

とても、イタリア臭のする、最後の〆方でした指差し


ストーカー女が暴露して、

ムカーってなってからの、

 

「な・・・なんで急にミュージカルなん??」

 

っていうのが、ホント、面白くて。

 

面白くて、多幸感を半端なく感じさせてくれますチュー

 

あと、アントニオの母親がパウロの母親にも結婚式に必ず参加させなさい!

って言うんですよね。

でも、パウロと母親は、カミングアウトしてから何年も疎遠だったんです。

一応、結婚の報告に行くけど、冷たい反応で、

結婚式に来るなんて、とんでもない!

 

そこで、女装趣味に目覚めて情緒不安定なおじさんが、

「女装して、母親として結婚式に参列しよう」と言い出し、

 

それは名案!!!

 

ってなるのも面白いし、

 

結果、結婚式には本当の母親がきちんと参列してて、

女装母親の出番は、ほんの一瞬だったというのも、

声出して笑ってしまった。

 

ゲイカップルの話ですが、そういう作品特有の

粘稠度の高いベッドシーンか皆無です。

 ゲイを揶揄する事もなく、そういう意味では、

とても品の良いコメディに仕上がっていて、

好感が持てました。

 

 最後は、雑だと言われる展開かも知れないけれど、

歌って終わって、ハイ解決!!という気持ちが、

こんなにも多幸感をもたらすとは、

目から鱗的な感情にビックリしました。

 

LGBTQ・マイノリティについて、

どんな形であれ、愛があれば、それ良いと。

半ば強引にでも、そう着地させればいいのだ・・・と

感じさせてくれます。

 

また、それだけではなく、

生きていく中で、

 

歌と踊りと、愛さえあれば。

そんな風に、着地させる強引さも時に必要なのだと、

そんな風に感じさせられました。

 

あとは、やっぱり、

チヴィタ・ディ・バニョレージョの景色などを観るだけでも、

一見の価値ありです。