少し、ご無沙汰してしまった・・・・
子供たちのバドミントンの試合が立て続けにあったりで、
バタバタしておりました。
とはいえ、時間見つけては、UNEXT祭り継続中です~。
蜜蜂と遠雷
2019年10月公開
☆☆☆ 2022年25本目
UNEXT
原作の大ファンで、私の中では格違いの名作だと思っております。
故に、実写化は反対していたし、
公開されてからも、観るつもりはなかったんだけど・・・・
UNEXTで配信が始まっていたし、鈴鹿央士が風間塵役だと改めて知って、
観てみたんですね。
名作の実写化は、ほぼ残念な事になる・・・と覚悟をして観たんですが、
ハードルがとことん低かったせいなのか、
観た直後は、「それほどでもなかった・・・」という安堵感がありました。
キャスト
栄伝亜夜役/松岡茉優
母親の死をきっかけにピアノを弾けなくなった天才ピアニスト。
7年ぶりにコンクールへ出場する
マサル・C・レビ=アナトール役/森崎ウィン
ジュリアード音楽院在学中の完璧なピアニスト
高島明石役/松坂桃李
年齢制限ギリギリでコンクールに出場
音大出身だが、現在は結婚し、楽器店勤務。
風間塵役/鈴鹿央士
世界最高ピアニストからの推薦状を持つ、突如現れた異色の天才ピアニスト
あらすじ
優勝者が後に有名なコンクールで優勝するというジンクスで注目される芳ヶ江国際ピアノコンクールに挑む栄伝亜夜(松岡茉優)、高島明石(松坂桃李)、マサル・カルロス・レヴィ・アナトール(森崎ウィン)、風間塵(鈴鹿央士)。長年ピアノから遠さがっていた亜夜、年齢制限ギリギリの明石、優勝候補のマサル、謎めいた少年・塵は、それぞれの思いを胸にステージに上がる。
感想
キャストは十分その役割を果たした。
ピアノが弾けなくなってしまったピアニストの、不安定な所。
正統派ピアニストの、真面目な所。
庶民派ピアニストの、焦りや羨望。
異端児ピアニストの、ピュアな情熱。
それぞれが、しっかりと演じていたと思う。
それなのに・・・・
正直、「天才」という感じが伝わってこないのは、何故なんだろう。
松坂桃李を通して、共有する羨望の想いが、なかなか生まれてこないのは、何故なんだろう。
その理由は、俳優陣に原因があるのではなく、演出の問題ではないだろうか。
「天才」の演奏を前にした、感情の爆発や、驚愕が、
表現出来ていないのだと思う。
観客の表情や、拍手のスケール・・・・
そういったものが、不足しているように感じた。
終始、言葉が少なく、「天才」を表現する台詞もなかった。
俳優陣の「天才」演技を裏付けるものが、しっかりと表現出来ていなかった。
庶民を代表するのが、ブルゾンちえみでは役不足。
本来なら、感動の代弁者であるべき斉藤由貴は、終始、表情を変えず、
感情が汲み取れない。
ならば、観客のスタンディングオベーションで・・・と思うが、
このスケールが、どれも同じで・・・・
原作であれほど感じた、「天才」への尊敬・羨望の感情が、
映画では、引き出されなかった。
これが、最大に失敗ではないだろうか。
☆3つを付けたが、これは。原作読了の上での評価だ。
正直、原作未読だと、どうなんでしょう・・・
あの4人が、海へ出かけるシーンは、何で??と思わないかな?
(原作では、本当に好きな場面でした)
全体的に、原作の素晴らしいシーンを、切り取った感じがする。
キャスト陣の個々の演技は良かったが、そこに流れる、
成長や感情の波が、描かれずに終わっている。
しかし、通常なら、拍手や言葉で「天才」を表現し、
その感動に演技がついていっていない・・というパターンが多く見受けられる中で、
この作品は、見事に逆なのである。
ピアニストという難しい役柄を、演じたキャスト陣には、
☆3つあげたい。
原作読了後、したためたレビューを、久しぶりに読み返した。
読了後の興奮を、思い出した。
映画よりも、原作を読んで頂きたい。
文字だけで、これほどまでに、音楽を感じて、感動出来るものかと。
文字が、映像を凌駕した。
その証拠が、ここにある。
原作読了のレビューです