緑が生い茂る渓谷で幼児の殺害事件が発生し、容疑者として母親が逮捕される。隣の家に住んでいる尾崎俊介(大西信満)がその母親と不倫していたのではないかという疑惑が、俊介の妻かなこ(真木よう子)の証言によって浮かぶ。事件を取材する週刊誌の記者、渡辺(大森南朋)がさらに調査を進めていくうちに、尾崎夫妻をめぐる15年前の衝撃的な秘密にたどり着き……。

 真木よう子目的で、観た。
題材が面白いし、楽しみにしておりましたが。
 なんというか、不発に終わってしまったな・・という印象。

 正直、真木よう子は濡れ場だけで、
熱演とか言われてるんじゃないかと。
 これ位の、演技で賞を貰えるもんなのか?

加害者と被害者が、恋に落ちる・・・・。

その辺りの経緯や、心情が、全くよく分からない。
私に読解能力が無いのかも知れないけど。

 無駄に長いし、無駄に無口。
役者の表情や演技で説明できないのなら、
もっと台詞を入れて欲しい。
 台詞も、なんか、もごもご言ってるだけで、よく分からないし。

 加害者と被害者、しかも、その事件は、集団レイプ。
正直、有り得ないと思うし、
有り得たとしたら、それを、頷けるほどの理由が欲しかった。
 その理由に辿りつくまでを、じっくりと、視聴者に見せ付けて欲しかった。

 けれど、物語はサスペンスもどきで、経過し、
いざ、物語が真実を語り始めると、
無音と景色だけの描写になる。

 何故、2人が日本海みたいなとこへ旅したのか、
男の仕事は、どうなったのか、なんか、わからないまま。
 2人の数少ない会話で、一体、どうやって近付けたのか曖昧。

 そもそも、その後も、一緒にいるだけでなく夫婦になってるのも、よく分からないし、
女が、警察に別の事件の容疑者として、男を密告したのも、よく分からない。
 しかも、その事件の犯人が、男は関係ない・・と証言したって、
そりゃ、そーやろー、みたいな。

 そもそも、「一緒に不幸になろうね」的な結びつきに無理がある。
女は不幸のままかも知れないが、
男にいたっては、何が不幸か分からない。
 ちゃんとサラリーマンしてたしさ。
 
スーツ着てた男が、何故か、女と夫婦になって、
小汚い服装になる。
この違和感たるや・・・・。
 あああ、だから、「一緒に不幸になる」って事か・・・と今、
妙に納得してみたが、多分、違う(笑)

 ともかく、違和感ばっかり、意味不明。
 新聞記者は、奥さんと仲直り。
これ、けっこう、ビックリ。あそこまで言われて、仲直り?
奥さんも、あれだけ言ってて、なんで、仲直り?
「私、別れる気なんてないから」って、これまた意味不明。

ま、それでも、最大の違和感は、過去の女の「カツラ」でしょ(笑)


当然のことながら、
女が、男のもとを去った理由も意味不明。
 無罪放免となって帰ってきた男と、女が普通なのも、意味不明。



こういっては、何だけど。
濡れ場のシーンで、真木よう子が美しいのも、駄目なんだよね。
きっと。
 長年苦しんできた姿が、そこからは、見えない。
 10代で集団レイプの被害者となり、
女性としての、20代という輝かしい日々を、苦しみを抱えてきた・・・・
 そんな女性が、見えてこない。

 
 全編通して、意味不明の違和感だらけの映画でありながら、
最後のシーンだけは、何故か、明確。

新聞記者が、

「あの時に戻れるなら、同じ事件を起こして、かなこと出会うか、
事件を起こさず、かなこと出会わない人生を選ぶか」みたいな質問をする。

 男が、目をくわっとむいて、終わり。

・・という印象的なシーンだんだけど。

「そんなん、決まってるやろ、アホな質問すんな」

・・・という台詞が聞こえてくるようでした(笑)

 こういう役者さんの表情で勝負するなら、
あの表情は、一体、どういう感情だったんだろう?
って考える楽しみがあるワケで。

 それさえも、奪われたようでした。

裏を返せば、
即座にそう思わせるような、「愛」しか、
見出せなかった・・・という事。


 

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